[ニューヨーク 1日 ロイター] - 米金融・債券市場では、米
連邦準備理事会(FRB)が断固としてインフレ率を目標近辺まで引き
下げるとの観測を背景に、国債利回りが大きく低下した。
10年債利回りは一時23.3ベーシスポイント(b
p)低下。新型コロナウイルス感染拡大で市場が打撃を受けた2020
年3月以来の大幅な低下となった。その後は下げ幅を縮小し、8.5b
p低下の2.889%。
2年債利回りは8.8bp低下の2.839%。
双方とも約4週間ぶりの低水準にある。
週初からは2年債利回りが22bp、5年債利回りが24bp低下
。週間ベースで共に今年3月以来最大の低下となった。
物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で期待インフレ
を示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、5年物
が2.636%、10年物が2.362%と、共に
21年9月以来の低水準を付けた。
クワドラティック・キャピタル・マネジメントのマネージングパー
トナー兼最高投資責任者(CIO)のナンシー・デイビス氏は「FRB
の利上げで消費者物価指数(CPI)の上昇が将来的に大きく抑制され
るとの見方が市場で出ている」とし、こうした中「ブレーク・イーブン
・インフレ率がFRBの平均長期インフレ目標である2%をわずかに上
回る水準まで急激に低下した」と述べた。
SLCマネジメント(ボストン)の投資戦略・資産配分担当マネー
ジング・ディレクター、デック・マラーキー氏は、インフレがいつピー
クに達するのか、潜在的な景気後退がどの程度深刻なものになるのかと
いった先行き不透明感が全証券市場に大きな影響を及ぼしているとし、
中央銀行がインフレ抑制にあらゆる手段を尽くす姿勢を示す中、市場で
はリスクが増大し、ボラティリティーが高まるとの見方が出ていると述
べた。
2年債と10年債の利回り格差は4.5bp。
インフレ期待指標として注目されるドル建て5年先5年物インフレ
スワップは2.349%。
米東部時間 価格 利回り コード
30年債(指標 14時30分 95*11.00 3.1156% <US30YT=RR
銘柄) >
前営業日終 95*07.00 3.1220%
値
10年債(指標銘 14時30分 99*28.00 2.8894% <US10YT=RR
柄) >
前営業日終 99*05.00 2.9740%
値
5年債(指標銘 14時30分 101*22.00 2.8842%
柄)
前営業日終 101*04.25 3.0040%
値
2年債(指標銘 14時30分 100*09.88 2.8390%
柄)
前営業日終 100*04.50 2.9270%
値
清算値 前日終値 コード
Tボンド先物9月 139*11.00 138*20.00
限
Tノート先物9月 119*08.50 118*17.00
限
<ドル・スワップ・スプレッド>
DOLLAR SWAP SPREADS
Last (bps) Net Change (bps)
U.S. 2-year dollar swap spread 311.25 280.25
U.S. 3-year dollar swap spread 295.25 282.75
U.S. 5-year dollar swap spread 2.75 -0.25
U.S. 10-year dollar swap spread 7.00 -0.25
U.S. 30-year dollar swap spread -24.25 -0.75
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