[東京 11日 ロイター] - 岸田文雄政権が重要政策と位置付ける経済安全保障推進法案が11日、参議院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立した。公布後、最長2年かけて段階的に施行する。米中対立やロシアによるウクライナ侵攻など国際社会の分断が進む中、半導体をはじめ重要な物資を確保するほか、インフラを守る体制を整える。対象となる物資など詳細は政令や省令で決める。
新法は、戦略的に重要な物資を安定的に調達するための供給網(サプライチェーン)強化、基幹インフラの事前審査、特許の非公開化、先端的な重要技術の開発支援の4つの柱で成り立つ。
何が「特定重要物資」に該当するのか、基幹インフラの重要設備の導入などに必要な事前審査の詳細については政令や省令で定める。10日午後の会見で自由な企業活動への影響を問われた松野博一官房長官は、「事業者の予見可能性に十分配慮した制度設計になっている」と説明。産業界や識者から意見を聞き、考え方を明らかにした基本方針を策定した上で政令や省令を定めるとした。
法律の施行に当たり「安全保障の確保に関する経済施策と自由かつ公正な経済活動の促進の両立が重要」との文言を付帯決議に盛り込んだ。
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