September 19, 2019 / 8:08 AM / in a month

金融政策こうみる:限界を露呈、市場はより刹那的に=三井住友銀 宇野氏

[東京 19日 ロイター] -

<三井住友銀行 チーフストラテジスト 宇野大介氏>

先週の欧州中央銀行(ECB)理事会、昨日の米連邦公開市場委員会(FOMC)、きょうの日銀政策決定会合に共通するのは、当局も市場も金融政策の限界を経験的に感じ取っていることだ。

ECBは盛り込める政策を全て実施したものの、市場金利の低下は極めて限定的で、独国債は逆に売られてしまった。

米連邦準備理事会(FRB)は、政策金利に十分プラス幅があるため政策の有効性を示せるとかつては市場に思われていたが、現在はFRB自身もゼロ金利の制約を意識し政策の有効性に疑問を持っており、市場もまたこれを嗅ぎ取っている。

パウエル議長は米国の通商政策について、経済の見通しを圧迫しているがFRBの管轄ではないと述べた。ECB理事会メンバーのビルロワドガロー仏中銀総裁は、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る不確実性で企業信頼感が損なわれているが、金融政策は万能ではなく政治家の出番だと指摘した。

黒田日銀総裁は、金融緩和推進下で財政支出を拡大すれば、相乗効果でより景気刺激的になるとの考えを示した。黒田総裁のみならず、中央銀行が財政政策を推奨する状況は、パラダイムシフトとも呼べるだろう。

中銀に無力感が広がり自信が失われる中、多くの政策決定会合は「ライブミーティング」となり、前回がどういうスタンスであったか、どういう決定をしたかを踏襲する必然性が消失し、まさに「会合ごとに指標を見極めていく」(パウエル議長)こととなった。

金融当局のその場限りの姿勢は、金融市場にも伝播(でんぱ)している。市場では、景況感とは無関係に一部の政治家の不規則発言などにより概ね3カ月ごとに楽観と悲観が繰り返され、トレンドが失われてボラティリティーが上昇している。

特に、サイクルの最後の1カ月で大きくポジションが膨らみその後は急激に巻き戻される傾向があり、相場が大きく振れるもののトレンドは出づらい。

市場参加者はこれまでの慣習から、金融政策会合をイベントとして重視はするものの、神経を集中させてその結果や声明文、見通しを検証する必要性が低下したと思っているのかもしれない。

ドルのレンジは、悲観が台頭すれば100―105円、楽観が広がれば105―110円といった展開になるだろう。

0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below