March 22, 2018 / 12:38 AM / 6 months ago

FOMCこうみる:年内ハト派、先行きは「根拠なき」タカ派=三井住友銀・宇野氏

[東京 22日 ロイター] -

<三井住友銀行 チーフストラテジスト 宇野大介氏>

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル新議長は2月27日の議会証言で、最近の金融引き締めは経済・インフレ等の見通しに対する圧迫要因になっておらず、段階的な利上げがFRBのインフレおよび雇用に関する二大目標達成において最善であるとの見解を示した。このため金融市場では今年の利上げペースが想定より加速するとの懸念が広がった。

しかし、ふたを開けてみると、今回のFOMCの決定事項や記者会見では、そのトーンは鳴りを潜めている。

具体的には、タカ派的だった2月末の議会証言と整合性を取るかのように、2019年以降の利上げ回数を3回から5回へと引き上げ、成長率見通しの上方修正で形を整えたものの、記者会見では2019年以降の利上げ見通しについては「正直に言うと、先行きについては不透明」との心情を吐露した。

来年以降のインフレ加速を警戒しつつも、金融引き締めのスタンスについて極めて慎重であることは、今年の利上げ回数を今回も含めて4回から従来の3回に戻したことからもみて取れる。

年内はタカ派ではないが、先行きはタカ派。しかし、先行きのことは分からない、といったところか。国内総生産(GDP)の見通しを上方修正する一方、インフレの先行き見通しをほとんど変えていないところにも、経済見通しについて自信のなさが垣間見える。

FOMCの結果は、今年4回の利上げで準備していたマーケットには肩透かしとなり、為替市場ではドル売り、そして円買いよりもユーロ買いが顕著となった。株式市場はFOMC直後に250ドル高となったが、利上げの継続性やハイテク関連が引き続き足を引っ張り、前日比44ドル安で引けた。米10年国債利回りも一時2.93%台と1カ月ぶり高水準となったが、買い戻しが入り2.88%まで低下して引けた。

これで金融引き締めの話は一段落した。

今後の金融市場では、FRBがないとしている通商政策による米経済および世界経済への悪影響、減税政策の裏返しとしての米財政赤字拡大に伴う米金利上昇のリスク、米政権の不安定性を巡るリスクなどが、引き続き大きなテーマとしてとらえられていくだろう。

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