June 20, 2019 / 1:36 AM / a month ago

FOMCこうみる:政治に屈し「トランプシフト」を敷くFRB=三井住友銀 宇野氏

[東京 20日 ロイター] -

<三井住友銀行 チーフストラテジスト 宇野大介氏>

今回の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、1日目の18日にトランプ大統領が2020年大統領選への再出馬を正式に表明する一方で、トランプ政権がパウエル議長の理事への降格を今年2月検討していたとの話が飛びだすなど、政治が色濃い影を落としている。

政策金利は据え置かれたが、先行きの不確実性が増大しインフレが低迷する中、データを注視し景気拡大を維持するために「適切に行動する」と表明。これまでの声明にあった「忍耐強く(patient)」という文言は取り除かれた。

「Patient」は当初、「利上げ」に対して辛抱強くあるという意味で使われていたが、年初からは「利上げ」に対しても「利下げ」に対しても「patient」というコンテクストに変わり、今回は忍耐できずに利下げシフトを敷くこととなった。

利下げシフトはイコール「トランプシフト」である。口を開けば利下げを要求するトランプ大統領をなだめるために、米連邦準備理事会(FRB)は予防的な利下げもありうべしとしているが、本心は異なっているとみている。

FOMCメンバーの政策金利見通し(ドットチャート)では、今年は利下げバイアスが現れているが、先に行けば行くほど利上げを主張する向きが増加していることが見て取れ、FOMCは市場が考えるほど利下げ一辺倒ではないことがわかる。

さらに、経済見通しでは、GDP成長率は堅調、失業率は一段の低下が見込まれており、経済の見立てでは、トランプ氏を受容する「トランプシフト」とは一線を画している。

FRBはトランプ氏の出現によって「完全雇用」と「物価の安定」という従来のマンデートに加え、第3のマンデートとして「株高」を託された。現在は、株高をもたらすことに成功し、トリプルマンデートをほぼ完成させている状況で、利下げを特段必要としていないというのが本音ではないだろうか。

市場では、株価や原油相場が米利下げを先行して織り込んだが、米長期金利や為替市場での「緩和相場」は始まったばかりだ。織り込みがさらに進めばドル/円は105円、米10年国債利回りは1.7%を目指すと予想する。

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