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FOMCこうみる:着実に「日銀化」の道を歩むFRB=三井住友銀 宇野氏

[東京 11日 ロイター] -

<三井住友銀行 チーフストラテジスト 宇野大介氏>

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は10日、連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、中小企業向けの「メインストリート融資制度(MSLP)」について、企業が利用するのに遅過ぎることはないと述べた。

これに先立つ8日、FRBはMSLPの条件を緩和し、融資の最低額引き下げや融資期間の延長を決め、より多くの企業が利用できるようにしている。

こうした措置や議長の発言は、大規模な量的緩和を通じて供給されたマネーが、家計や企業など向かってほしい場所に十分に回らず、または回ったとしても、設備投資など生産性向上につながる投資に結び付いていないことの裏返しだろう。

緩和マネーが、主にリスク資産を目指して流れる現象は、外為市場でも観察される。

ドル指数は現在3カ月ぶりの安値圏まで低下しているが、ドル安の背景には、ブラジルレアルなどの通貨や新興国の債券市場に向かってマネーが流れ込んでいることがある。

FRBは、緩和マネーが株や新興国通貨などのリスク資産に偏在し、無防備なリスクテークが行われているという認識を持ち、ジレンマに陥っているはずだ。

こうしたジレンマの先には、緩和の強化やイールドカーブ・コントロール(YCC)、そしてマイナス金利が待ち構えていることは、日銀で既に実証済みである。

FRBは日銀と同じわだちを踏むことになるだろう。

今回、パウエル議長はYCCについて議論があったことは認めたが、具体的な決定はなかった。短期金融市場でドルLIBORの低下が続いていることから判断して、今のところ、レポ取引や資産買い入れプログラムを通じて、アンカー役の短期金利の制御はできているので、YCCを急ぐ理由はない。

次回以降のFOMCでもその必要性が議論される予定で、カードは温存された。

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