[東京 16日 ロイター] -
<野村証券 チーフ為替ストラテジスト 後藤祐二朗氏>
米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果は、テーパリングの加速はおおむね予想通りだったが、来年3回の利上げ示唆は予想よりも若干タカ派化したと捉えている。ただ、パウエル議長の議会証言以降、タカ派シフトの懸念は高まっていたので、サプライズに対するマーケットの備えは進んでいた。その結果、マーケットの拒否反応は非常に限定的となった印象で、株価は上昇し、米国の短期金利も上がりかけたが、結果的には(金利は)あまり動かなかった。FOMCを無難に消化してイベントリスクも終わったので、警戒感は和らいでクロス円は上昇したようだ。
ドル/円は114円台まで上昇したが、米金利の上昇が限定的だったことから、ドル/円がどんどん上値を追う雰囲気ではない。リスク選好的な姿勢が強まる中、安全通貨とされるドルと円は売られやすく、足元のドル/円は綱引きとなっている。
FRBのタカ派姿勢が明確になったので、ドル/円の方向感はドル高/円安で、目先のドル/円は113―115円程度で底堅く推移するとみている。ただ、年内に年初来高値を更新するのは難しく、ドルの115円トライはあってもおかしくはないが、年初来高値更新は来年に持ち越しとなりそうだ。
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