August 22, 2019 / 3:57 AM / a month ago

FOMC議事要旨こうみる:初回利下げから「ゼロ金利」を覚悟=三井住友銀 宇野氏

[22日 ロイター] -

<三井住友銀行 チーフストラテジスト 宇野大介氏>

7月30―31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨では、米連邦準備理事会(FRB)の2つの責務(デュアルマンデート)である「物価安定」と「雇用の最大化」について、活発に議論された形跡は見当たらない。

しかし一方で、事実上第3の責務となっている「金融の安定性(financial stability)」の維持に関する記述には多くのページが割かれている。

具体的には、非金融部門の債務の膨張が経済の重しとなり得ると警鐘を鳴らし、クレジット市場の動向にも注意を要するとしている。

世界的な景気減速や国際貿易の縮小がもたらす米経済への悪影響や低迷する物価水準などに加え、こうした金融面で懸念される要素も「サイクル半ばでの政策調整(mid-cycle adjustment)」の必要性を高め、今回利下げに至ったという説明となっている。

ただ残念なことに、FRBに執拗(しつよう)に利下げを要求するトランプ米大統領が、今回のFOMCの翌日に第4弾の対中追加関税を表明したことで、米国株は連日大幅安となり、金融の安定性は少なくともいったんは損なわれた。

議事要旨の冒頭では、FOMCメンバーが、リーマン・ショック以降の金融政策を振り返ることに時間を費やし、かつてフェデラルファンド(FF)金利がゼロまで低下し、金利の実効下限制約(effective lower bound:ELB)に遭遇した際に、どう政策対応したかを吟味していたことが分かる。

また、今回披露されたスタッフ調査では、前回ELBに直面した折に、フォワードガイダンスとバランスシートの拡張政策を併用したことにより「金融コンディション(financial condition)」を緩和させ、経済活動を支援するのに奏功したとの結論が導かれている。

こうした一連の議論からは、今回の利下げが一過性のものに終わらずに、利下げフェーズへの序章となる可能性をFRBがリアルに受け止め、ゼロ金利に到達した際の心構えを表明していることがうかがえる。

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