July 11, 2019 / 1:57 AM / in 8 days

FRB議長議会証言こうみる:本質を隠すFRB、本質から目を逸らす金融市場=三井住友銀 宇野氏

[東京 11日 ロイター] -

<三井住友銀行 チーフストラテジスト 宇野大介氏>

パウエル議長は、米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの多くが利下げの必要性が高まっていると判断していると述べ、「適切に行動する」として約10年ぶりの利下げに向けての地ならしをした。

年初の連邦市場委員会(FRB)のハト派急旋回の本質は、FRBがトランプ政権の政治圧力に屈したことだ。この本質を市場や一般人に悟られないために、FRBは政策転換を正当化する事由探しに忙しい。一方で、金融市場は見て見ぬふりを決め込んでいるもようだ。

パウエル議長は、足元では11年目となる景気拡大が続いているとした上で、物価の低迷や貿易摩擦で高まる不確実性などの様々なリスク要因を列挙した。

FOMCは5月の議事要旨では金融政策を将来調整する強い論拠はないと言い放っていたが、6月要旨では「かなり弱い設備投資」、「インフレ率のみならず期待インフレ率も弱まる可能性」、「通商問題」、「高水準の連邦債務」、「低所得者層の相対的停滞」などが経済見通しの重しになるのであれば、より緩和的な金融政策を実施する論拠が強まってきたとした。

今回も含めて、金融当局による主張の一貫性や景気と政策判断の整合性の欠如について、金融市場は特に気にとめる様子もない。

ドル/円相場は近視眼的な材料消化に終始してトレンドが出づらく、官製相場となった世界の株式市場では、下がったら値ごろ感からの買いがデフォルト化する有様だ。

米国の利下げが実施されればドル相場は初動ではドル売りに傾くだろうが、どの国も金融緩和指向がある中、ドル売りの程度は限定的なものにとどまるだろう。

政治から独立しているはずの中央銀行の中立性が侵されたケースを目の当たりにつつ、金融市場はその信認を問わない思考回路となっている。金融市場が日替わりメニューに場当たり的な反応を繰り返すものへと構造変化した形跡がうかがえる。

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