[ロンドン 16日 ロイター] - ユーロ圏金融・債券市場 では、ドイツ債利回りが上昇した。欧州中央銀行(ECB)による0. 5%ポイントの利上げを受けた。ただ、市場ではECBが金融安定リス クを見極めながら金融引き締めを鈍化させるとの見方がなお見込まれて いる。 ECBは16日の理事会で0.5%ポイントの大幅利上げを決定し た。利上げは6会合連続。金融市場の混乱で世界的な銀行危機への懸念 が高まる中でも、インフレ対応を優先させた。 ユーロ短期金利(ESTR)先物によると、預金ファシリティ金利 は2023年8月にピークを迎える見通し。ECB理事会前は23年1 1月にピークを付けるとみられていた。 23年8月限のESTR先物は終盤で3.1%近 辺と、ECBの預金金利が3.2%水準に達することを示唆した。 ドイツ2年債利回りは12ベーシスポイント(bp)上 昇し2.50%。ただ08年10月以来の高水準となる3.385%を 付けた先週9日からは約90bp低下している。 アリアンツ・グローバル・インベスターズのシニア債券スペシャリ スト、マッシミリアーノ・マクシア氏は「ECBは0.5%の利上げを 決定する一方で次回の判断はデータ次第だと強調した。これはアナリス ト予想と一致している」と指摘。「利上げ幅が小さければ金融システム の安定性を巡る懸念が一段と高まる可能性があったため、これは適切な 判断だった」と述べた。 ECB理事会前に市場が織り込んでいた0.5%の利上げ確率は6 0%、0.25%の利上げ確率は40%だった。 スイス国立銀行(中央銀行)がスイス金融大手クレディ・スイスに 流動性を供給すると表明したことを受け、安心感も広がった。[nL4N35O 0HE] SEBのチーフストラテジスト、ユッシ・ヒルヤネン氏は「将来的 な政策の道筋は銀行システムで何が起きるか、混乱が収まるか、それと も再び悪化するかによって大きく変わるだろう」と述べた。 ドイツ10年債利回りは9.5bp上昇し2.21% 。 イタリア10年債利回りは4.09%で横ばい。独伊 利回り格差は186bpに縮小。前日には199bpと約2カ月ぶりの 水準に拡大していた。 <金利・債券> 米東部時間12時3 4分 *先物 清算値 前日比 前営業日 コード 終盤 3カ月物ユーロ 96.94 -0.14 97.08 独連邦債2年物 106.00 -0.22 106.22 独連邦債5年物 118.35 -0.53 118.88 独連邦債10年 136.55 -1.07 137.62 物 独連邦債30年 144.08 -3.32 147.40 物 *現物利回り 現在値 前日比 前営業日 コード 終盤 独連邦債2年物 2.584 +0.172 2.429 独連邦債5年物 2.288 +0.148 2.152 独連邦債10年 2.264 +0.139 2.134 物 独連邦債30年 2.283 +0.138 2.069 物 (ーからご覧ください)
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