[シドニー 8日 ロイター] - オセアニア外国為替市場では豪ドルとニュージーランド(NZ)ドルが利益確定の売りに押されて下落している。一方、豪10年物国債利回りは6カ月ぶりの水準に上昇した。
豪ドルは直近で0.7756米ドル。ただ今週は0.8%上昇している。次の目標は2018年に付けた一連の高値で0.7916米ドル、0.7988米ドル。その次は0.8136米ドルで、これは15年半ば以来の高値。
NZドルも下落し0.7252米ドルとなっているが、週間では1%高。18年序盤の高値である0.7395米ドルと0.7437米ドルが強気筋の目標となっている。
市場関係者によると、投機筋は米連邦準備理事会(FRB)が現時点では資産買い入れを拡大しないと予想し、米ドルの売り持ちを一部減らしている。
また米民主党が上院でも多数を確保したことで、追加景気刺激策が打ち出されるとの見方から米国債利回りが上昇し、ドルを押し上げた。
豪10年物国債利回りも1.09%へ上昇し、米国債との利回り格差はゼロ付近で変わらず。今週は11ベーシスポイント(bp)上昇し6月以来の高水準となった。
3年債利回りはオーストラリア準備銀行(中央銀行)の目標である0.10%付近にとどまっているため、10年債とのスプレッドは98bpまで拡大した。これは昨年3月の一時的な急拡大を除けば2015年半ば以来の大きさ。
ANZの豪経済部門を統括するデービッド・プランク氏は豪中銀が今後数カ月、1000億豪ドルの債券買い入れを継続すると予想した。
同氏はリポートで「豪中銀は豪ドルの上昇圧力を強めるような政策を選択することには慎重になるだろう」とし「中銀が量的緩和の縮小や3年債の利回り目標の調整を考えている兆候が見られれば、豪ドルにかなりの上昇圧力がかかる可能性がある」と指摘した。
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