[上海 3日 ロイター] - 上海外国為替市場の人民元相場はドルに対して14カ月ぶりの安値まで下落。米中貿易摩擦激化への懸念から週間ベースで8週連続の下げとなっており、人民元レートが一本化された1994年以降で最長となる見通しだ。
きょうの人民元の対ドル基準値は前営業日比380ポイント(0.56%)安の1ドル=6.8322元。2017年5月31日以来の元安水準で、市場予想とほぼ一致した。
これに伴いスポット市場の人民元も下落。1ドル=6.8571元で始まり、午前の取引で一時、17年5月25日以来の安値となる6.8767元まで値を下げた。中盤時点では前営業日終値比299ポイント安の6.8680元。基準値比では0.52%安。
中盤時点の水準できょうの取引を終えれば、週間ベースで0.8%安となる。前週は0.4%安だった。
人民元相場は現時点で年初来5%超下落。
トレーダーらは、人民元相場が序盤の取引でオフショア人民元の下げに追随したと指摘。人民元の先安観の強まりを背景に、元売り意欲はに大きいままだという。
オフショアの人民元は中盤時点で、オンショアのスポット市場を0.20%下回る1ドル=6.8821元。
JPモルガン・アセット・マネジメントのグローバル・マーケット・ストラテジスト、イアン・フイ氏は「貿易を巡る懸念や低調なマクロ指標が引き続き人民元を圧迫するだろう」と指摘。ただ、あまりに人民元安が進めば資本の逃避と金融の安定性を巡るリスクが高まるため、年内に7元を超えて人民元安が進むことはないだろうとしている。
オフショアの1年物ノンデリバラブル・フォワード(NDF)は6.9088元と、基準値比1.11%の人民元安。