[16日 ロイター] - アジア新興国通貨はまちまち。スイス金融大手クレディ・スイスを巡る混乱で世界的な銀行危機への懸念が本格化し、リスクに敏感な新興国市場から投資家が離れつつある。
インドネシアルピアは約0.4%安、マレーシアリンギは0.5%下落し6営業日ぶりに反落。インドルピーと韓国ウォンはそれぞれ0.2%、0.7%下落した。
半面、タイバーツは0.4%上昇した。
OCBCの通貨ストラテジスト、クリストファー・ウォン氏は、取引の流れが「金利上昇」に対する期待から「安全への逃避」へと急速に変化していると指摘。「世界的な売りが拡大すれば、円を除くアジアの高リスク通貨は下押し圧力にさらされる可能性があると引き続き警戒している」と述べた。
前日にはクレディ・スイスの筆頭株主であるサウジ・ナショナル・バンク(SNB)が規制上の理由から同行に追加出資できないと述べたことを受け、クレディ・スイスの株価が急落。世界の金融システムへの懸念が再燃し、投資家は安全通貨とされるドルや円を買い進めた。
ただ、東南アジアではクレディ・スイスや経営破綻した米地銀を巡る問題の大きな影響は現状ないか限定的と見られている。マレーシアは15日、経営破綻した米シリコンバレー銀行(SVB)に対する国内銀行のエクスポージャーは限定されていると発表した。
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