June 21, 2019 / 4:24 PM / in a month

米FRB内に低インフレ巡る見解の相違、7月会合まで模索続く

[ワシントン/サンフランシスコ 21日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)当局者の発言から、インフレ低迷にどの程度真剣に対処すべきかFRB内に見解の相違があることが明らかになった。インフレを巡っては1人がFRBの目標に近いとの見解を示した一方、3人がインフレ低迷は主要なリスクであるとし、FRBは利下げで対応する必要があると指摘。見解の相違はどれだけ大きいのか、また影響力が強いFRB当局者の立ち位置はどこにあるのか、7月30─31日の次回連邦公開市場委員会(FOMC)まで金融市場の模索が続くことになる。

6月21日、米ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁とセントルイス地区連銀のブラード総裁は、インフレ低迷に懸念を表明し、FRBは直ちに対応する必要があるとの考えを示した。FOMCの前後にFRB当局者が金融政策に関する発言を行うことを禁じる「ブラックアウト」期間明けに当たり、早くも2人の連銀総裁から踏み込んだ発言が相次いだ。 写真は2016年10月、ワシントンのFRB(2019年 ロイター/Kevin Lamarque)

FRBは18─19日に開いたFOMCでフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を2.25─2.50%に据え置くことを決定すると同時に、ただ不確実性の増大などに対応するため年内に最大0.5%ポイントの利下げが実施される可能性があることも示唆。FOMC声明から、金利調整に当たり「忍耐強く」対処するとの文言を削除した。

今回のFOMCでは17人の政策当局者のうち7人が年末までに政策金利を0.5%ポイント引き下げることが適切になるとの見解を示し、1人が0.25%ポイントの利下げが適切との見方を表明。年内は利下げが実施される公算は小さいとの見方を示した当局者と、年内は最大0.5%ポイントの利下げが正当化されるとの見方を示した当局者の数が約半分ずつになり、見解が分かれた。

FOMCの前後にFRB当局者が金融政策に関する発言を行うことを禁じる「ブラックアウト」期間明けに当たった21日は、朝からさまざまな発言があり、FRBに内在する見解の相違が明らかになった。

クラリダFRB副議長はブルームバーグテレビのインタビューに対し、FRBは米景気拡大は継続すると予想しているとしながらも、貿易などを巡る不確実性が増した場合は利下げを実施する用意があると表明。「経済は持続的に成長しており、労働市場は力強く、インフレ率はFRBの目標に近づくなど、経済の基調的な見通しは良好だ」としながらも、今週のFOMCでは「一段の緩和を打ち出す論拠が強まったとの広範な見解の一致があった」とし、「景気拡大、力強い労働市場、物価安定の維持に向けた政策手段をFRBは有している。目標達成に向けFRBは政策手段を適切に利用していく」と述べた。[nL4N23S3D3]

今回のFOMCではセントルイス地区連銀のブラード総裁が利下げを主張し、政策決定に反対。同総裁は反対票を投じたことについてこの日、低インフレと経済成長見通しを巡る不透明感により利下げが正当化されると感じたと表明した。

ただクラリダ副議長はインフレ率は「FRBの目標近くにある」との認識を表明。近く対応が必要と考えている公算が小さいことが示唆された。

パウエルFRB議長は今週のFOMC後、政策が後手に回る危険性について問われると、「待ち過ぎることによるリスクは現時点では大きくないと考えている」と回答。ただこの日はこうした考えとは相容れない発言が相次いだ。

ブレイナードFRB理事はシンシナティのイベントでの演説原稿で、米経済へのリスクの高まりを受け、政策当局者は将来の金利見通しを引き下げる必要があるとの考えを表明。下向きリスクが表面化した場合、経済活動の重しになる恐れがあるとし、「伝統的政策の余地が限られた低い中立金利の環境におけるリスク管理の基本方針は、リスクの下向きシフトに合わせて期待される政策の道筋を緩和させることだ」と述べた。

このほか、ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁とセントルイス地区連銀のブラード総裁はインフレ低迷に懸念を表明し、FRBは直ちに対応する必要があるとの考えを表明。

カシュカリ総裁はこの日に発表したエッセーでFRBは政策金利を0.5%ポイント引き下げる必要があるとの考えを表明。「インフレ期待をFRBの目標である2%に再び安定化させ、力強い雇用の伸び、賃金の伸びの加速、持続的な景気拡大を支援するために、連邦公開市場委員会(FOMC)は力強い措置を打ち出す必要があると考えている」とし、「FOMCが政策金利を50ベーシスポイント(bp)引き下げ、コアインフレが持続的にFRBの目標を達成するまで利上げは実施しないというコミットメントを示すことが、こうしたことの達成に向けた最善の方法だ」とした。

カシュカリ総裁は今年のFOMCで投票権を持っていないが、金利据え置きが決定された今週のFOMCでは50bpの利下げを提唱したことを明らかにした。

ブラード総裁は、今週のFOMCで利下げを主張し政策決定に反対票を投じたことについて、低インフレと経済成長見通しを巡る不透明感により利下げが正当化されると感じたと表明。声明で「インフレ指標は昨年末以降、大幅に低下しており、現在FOMCのインフレ目標である2%を約40─50ベーシスポイント(bp)下回っている」とし、インフレ期待も低迷しているため「今回FF金利の誘導目標レンジを引き下げることが、予想インフレ率の一段の低下と、高い下振れ圧力に見舞われて減速する経済に対する保険になると考えた」と述べた。

*情報を追加しました。

0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below