[上海 2日 ロイター] - 上海外国為替市場の人民元相場は、対米ドルで2年半ぶり高値を更新した。ドル安が続いていることが背景で、元は2015年8月11日の事実上の切り下げ以来の高値に接近した。
1月の月間上昇率は3.5%となり、トムソン・ロイターのデータによると、為替レートが一本化された1994年以降で最高。
中国人民銀行(中央銀行)は、この日の人民元の対ドル基準値(中間値)を1ドル=6.2885元に設定した。15年8月以来の元高水準で、前営業日の基準値(6.3045元)と比べ160ポイント(0.25%)の元高。
スポット市場の人民元は6.2828元で始まった後、朝方に6.2772元まで上昇した。
中盤時点では6.2854元で推移。これは前日終値に比べ111ポイントの元高、基準値に比べ0.05%の元高。この水準で引けた場合、週間では0.7%高と8週連続での上昇となる見込みで、これは2013年半ば以来の長期となる。
トレーダーらは、スポット相場は朝方のドル指数の動きに沿ったものだと指摘。夜に発表される1月の米雇用統計に注目すると述べた。
UBSインベストメントリサーチのエコノミスト、Wang Tao氏は「基本シナリオにおけるドル安が進んだ」ことを理由に元の見通しを引き上げた。18年末時点で6.2元、19年末時点で6.1元になると予想。従前はそれぞれ6.4元、6.3元としていた。
主要6通貨に対するドル指数は88.736と、前日終値の88.671から上昇した。
オフショア市場の人民元は6.2962元と、オンショアの水準に比べて0.17%の元安。オフショアの1年物ノンデリバラブル・フォワード(NDF)は6.4175元と、基準値に比べ2.01%の元安で推移している。