[東京 29日 ロイター] - 楽天傘下の楽天モバイルは29日、携帯電話のデータ使用量に応じて段階的に料金を引き下げる新プランを発表した。3ギガバイト(GB)超から20GB以下は月額1980円などで、先立って低価格プランを打ち出したNTTドコモをはじめ大手3キャリアに対抗する。
楽天の三木谷浩史会長兼社長は「全ての人に最適なワンプランを提供する」と述べた。データ使用量が1GBまでは無料。1GBを超え3GB以下は月980円、20GB超はデータ無制限とし月2980円の現行料金とする。4月から実施する。専用アプリを使えば通話はかけ放題。既存プランのアップグレードと位置づけ、既契約者には自動的に適用される。
楽天は昨年4月から自前回線での携帯電話サービスを開始。3キャリアより割安で単一料金のプランを打ち出していた。利用開始から1年間無料のキャンペーンも実施し、申込数はこれまでに220万を超えた。
ただ、菅義偉政権による料金値下げ要請を受けて3キャリアが楽天の現行プランと同水準の価格の新プランを示したことで、楽天の価格優位性は薄れていた。ドコモとソフトバンク、KDDI(au)の3キャリアは、通話1回5分までかけ放題を含め20GBで月2980円の新プランを3月から導入する。
今年の4月以降は、月額利用料が発生する楽天ユーザーが出始める。楽天は、新プランを通じて、利用者の取り込みや、他社への乗り換えの抑制を図る。楽天がデータ使用量の少ないユーザー向けの低料金を打ち出したことで、格安スマホのMVNO(仮想移動体通信事業者)を含む各社の戦略に影響しそうだ。
平田紀之
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