[東京 22日 ロイター] - 日本証券業協会が22日発表した4月分の公社 債店頭売買高(国債)によると、生損保の超長期債投資は今年2度目となる売り越しとな った。市場では買い増し期待が大きかっただけに、失望感も出ている。買い越しトップは 海外投資家で、3月より規模は小さくなったが3カ月連続の買い越しだった。 生損保は超長期債を754億円売り越した。売り越しは今年1月の4462億円以来 3カ月ぶり。3月は8889億円と大きく買い越していたが、一転売り越しとなった。 市場では「今年度の運用計画では超長期債に積極的な姿勢を示す声が多かったので、 やや驚きだ。日銀新体制の出だしを見極めたいと慎重になったのかもしれない。5月に反 動的な買い越しとなるのか注目される」(三井住友トラスト・アセットマネジメントのシ ニアストラテジスト、稲留克俊氏)との声が出ている。 売り越しトップは都銀で合計7748億円の売り越し。中期債を5467億円、長期 債を481億円、超長期債を1800億円、それぞれ売り越した。 信託銀行は合計で6368億円の売り越しとなった。中期債を1571億円、長期債 を399億円、超長期債を4398億円、それぞれ売り越した。 買い越しトップは海外投資家。合計で1兆9677億円を買い越した。3月の6兆0 830億円からは縮小したが、中期債を1兆2779億円、長期債を3769億円、超長 期債を3129億円それぞれ買い越した。「海外の債券買いの流れが波及したのではない か」(稲留氏)という。 地方金融機関(地銀、第2地銀、信用金庫)は計2560億円の買い越し。中期債を 775億円、長期債を738億円、超長期債を1047億円、それぞれ買い越した。 4月の円債市場は、10年債入札(4日)が低調な結果となったことなどから金利が 上昇。ハト派的と受け止められた植田和男日銀総裁の就任会見(10日)後も政策修正観 測がくすぶり金利は下げ渋ったが、28日の日銀金融政策決定会合で政策が現状維持とな り大きく低下した。 ◎国債投資家別売買高(国庫短期証券を除く。億円)は以下の通り。 利付国債買越 超長期債買越 長期債買越 中期債買越額 額 額 額 都市銀行 ▲ 7748 ▲ 1800 ▲ 481 ▲ 5467 地方銀行 1659 529 725 405 信託銀行 ▲ 6368 ▲ 4398 ▲ 399 ▲ 1571 農林系金融機関 221 1361 ▲ 1181 41 第二地銀協加盟 ▲ 67 ▲ 242 25 150 行 信用金庫 968 760 ▲ 12 220 その他金融機関 ▲ 34 ▲ 100 24 42 生保・損保 ▲ 1052 ▲ 754 ▲ 67 ▲ 231 投資信託 858 ▲ 186 906 138 官公庁共済組合 ▲ 143 ▲ 73 ▲ 70 0 事業法人 178 57 126 ▲ 5 その他法人 1756 1352 324 80 外国人 19677 3129 3769 12779 個人 ▲ 10 1 ▲ 9 ▲ 2 その他 ▲ 16782 ▲ 2621 ▲ 2614 ▲ 11547 債券ディーラー 422 ▲ 68 ▲ 83 573 合 計 ▲ 6465 ▲ 3053 983 ▲ 4395 (ロイターニュース 金利マーケットチーム)
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