[上海 31日 ロイター] - 上海外国為替市場の人民元相場はドルに対して5営業日ぶりに反発。中国人民銀行(中央銀行)が対ドル基準値を元高水準に設定したほか、イタリア政局を巡る懸念後退を受けてドル高が一服した。
ただ、人民元は月間では2016年11月以来の大幅な下落率を記録する見通しだ。
この日の基準値は1ドル=6.4144元と、前日基準値(6.4207元)に対し63ポイント(0.1%)の元高水準。6営業日ぶりの元高設定となった。
スポット市場の人民元は6.4135元で始まった。中盤の取引では6.4075元と、前日終値比143ポイントの元高。基準値比では0.11%の元高。
トレーダーは元の上昇について、午前のドルの動きが大きく影響したほか、企業のドル売りも一定の押し上げ要因になったと指摘した。
人民元は年初来、対ドルで約1.55%上昇しているが、米中貿易協議やイタリア、スペインの政治リスク拡大を背景に足元でドルが上昇する中、人民元の強さを巡り不透明感が生じている。
中国で社債のデフォルト(債務不履行)が相次いでいることも、中国経済の下振れリスクを示唆している。
INGのエコノミスト、アイリス・パング氏は今年の人民元の見通しを従来の1ドル=6.33元から6.6元に修正した。
オフショア人民元は6.3995元と、国内スポット市場に比べ0.13%の元高。
人民元の1年物ノンデリバラブル・フォワード(NDF)は6.5115元。基準値比で1.49%の元安となっている。