[東京 24日 ロイター] - 政府は24日、月例経済報告で6月の景気の総括判断を「持ち直しの動きが続いているが、一部で弱さを増している」とし、5月の表現を維持した。ただ、先行きについては、東京都などの緊急事態宣言解除を受けてリスク表現を削除し、判断を小幅に引き上げた。項目別では「住宅建設」の判断を引き上げた。
6月の景気判断は「新型コロナウイルス感染症の影響により依然として厳しい状況にある中、持ち直しの動きが続いているものの、一部で弱さが増している」。判断は5月に下方修正したが、今回は据え置きとした。
先行きについて、5月は「感染拡大による下振れリスクの高まりに十分注意する必要がある」と明記していたが、今回は「感染動向が内外経済に与える影響に十分注意」との表現に変更した上で、「ワクチン接種を促進する中で」との文言を追記した。
内閣府幹部によると、緊急事態宣言解除とまん延防止等重点措置への移行による好影響を織り込んだ。一方、東京オリンピック・パラリンピックの観客を入れての開催決定などについては「景気の上向きの動きがさらに加速するイベントとは言えない」(内閣府幹部)という。
個別項目では、住宅建設を5月の「おおむね横ばい」から「底堅い」に上方修正した。持ち家、分譲住宅は横ばいだが、賃貸マンションが増加していることを反映した。
国内総生産(GDP)の過半を占める個人消費については「サービス支出を中心に弱い動き」との判断を据え置いた。
輸出も、自動車関連は横ばいにとどまっているが情報関連・資本財が好調で、「緩やかな増加が続いている」との文言を維持した。
雇用は「弱い動き」との判断を据え置いた。求人に持ち直しの動きがみられるが、緩やかなテンポだと指摘している。
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