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日経平均が600円超の大幅続落:識者はこうみる

[東京 22日 ロイター] - 22日の東京株式市場で日経平均は大幅続落し、前営業日比617円90銭安の2万9174円15銭で取引を終えた。市場関係者に見方を聞いた。  

 3月22日、 東京株式市場で日経平均は大幅続落し、前営業日比617円90銭安の2万9174円15銭で取引を終えた。市場関係者に見方を聞いた。都内の株価ボード前で1月撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

●TOPIXは9日続伸後の反動か、米株ではバリュー優位の動き一巡

<第一生命経済研究所 主任エコノミスト 藤代 宏一氏>

日銀が上場投資信託(ETF)の買い入れ対象をTOPIX連動型のみと決定したことを受け、日経平均への指数寄与度が高いファーストリテイリングが売られる展開となっている。ただ、キーエンス、日本電産など、日経平均の構成銘柄ではない株価も大幅安となっていることを踏まえると、今日の下げは複数の売り要因が重なった結果だということがわかる。TOPIXは前週末まで9日続伸となっていたため、反動の部分も大きいのだろう。

前週末の米国株式市場では、ナスダックが反発する一方、ダウは続落、ここのところ見られたバリュー株優位の動きが一巡したようにもみえた。1.9兆ドル規模の追加経済対策が成立したことで、いったん材料出尽くしとなり、当面は追加経済対策以上に大きな材料は現れないとの見方が強まったためだろう。景気の見通しが大きく変わってきたわけではないが、今後も米長期金利の動向を見極めながらの展開となることには変わりはないだろう。

ルネサスエレクトロニクスの工場火災は株価にとってマイナス要因でしかないが、需要ではなく供給面での問題なので、中長期的に嫌気されるほどの材料ではない。ただ、納期の遅れが懸念されており、影響が自動車メーカーに波及してしまうのは免れないだろう。機会損失などのリスクが警戒されているため、今後の動きに注目したい。

●米長期金利に警戒、自律調整局面に悪材料重なる

<野村証券 エクイティ・マーケット・ストラテジスト 澤田麻希氏>

足元の日経平均株価の大幅下落は、米長期金利の動向を巡る不透明感が大きく影響している。

前週末、米連邦準備理事会(FRB)が大手行を対象にした自己資本規制である補完的レバレッジ比率(SLR)の一時的な緩和措置を、予定通り3月末で終了すると発表した。SLR規制緩和が延長されるとみていた市場参加者が多かっただけに、市場にとってはサプライズとなったようだ。

日経平均株価は3月5日から18日にかけて10営業日で2000円ほど上昇していたこともあり、足元の動きは自律調整の面も大きい。その局面に、米長期金利を巡る不透明感やルネサスエレクトロニクス6723.Tの工場火災など悪材料が重なってしまった。東証33業種では、上昇率、下落率の上位はいずれも景気敏感株で、相場の方向感はみられない。先々の不透明感が強い中、高値圏にある銘柄で利益確定売りが先行している。

19日の日銀金融政策決定会合で発表された上場投資信託(ETF)購入の見直しについては、その日のうちに消化されており、やはりきょう一番の悪材料は米長期金利に対する警戒感だ。先行きが不透明な中、ある程度ボラティリティーが高まる動きが今後も続くだろう。

今は、金融相場から業績相場へ移行していく端境期で、調整が行われやすい状況。ただ、米国の財政出動や各国の中銀による金融緩和継続姿勢が強まっている中では、景気の回復や企業業績の改善が相場を押し上げていくというシナリオは変わっていない。今後については、日本株が下がったところでは押し目買いも期待できるとみている。

●しばらく日柄調整か 米に資産バブル抑制見え隠れ

<ピクテ投信投資顧問 シニアフェロー 市川眞一氏>

きょうの下げは、日銀点検に伴う混乱の継続、米SLR規制緩和終了に加え、ルネサスエレクトロニクス6723.Tの工場火災など悪材料が重なったことが背景にあるが、根本の部分は米国の長期金利上昇にあり、しばらく日柄調整が続くとみている。

米バイデン政権によって1兆9000億ドルの経済対策が決定されたが、これにはトランプ前大統領の存在が大きいと思う。ここで雇用が悪化した場合、トランプ時代を懐かしむムードにならないとも限らず、バイデン大統領としてはそれは避けたい。一方、このままの状態が続けば、将来のバブル崩壊による痛みが懸念されるため、長期金利の上昇を容認することで資産バブルを抑制する動きが見え隠れする。

そうなると、米国株式市場をリードしてきた大型IT株など割高に買われてきた銘柄は苦しい。成長株で株価上昇を描くシナリオが崩れることになる。日本株はこれまで米国株式市場に追随した動きとなっており、同様にこのシナリオが描けず、先行き米株がもたつくとすれば、上値を追うのが難しくなるだろう。

さらに、ルネサスの工場火災も株価調整の要因になりそうだ。半導体がファンダメンタルズの鍵を握っている状態の中で、供給不足を加速させることになり、これは明らかに株価にマイナス材料になる。

もっとも、これまで株価上昇の要因になっていた金余り状態にも変化はない。従って目先的に大きく崩れることもないだろう。今回の調整は値幅ではなく日柄がポイントになり、当面は、もみあう展開になるとみている。

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