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コラム

コラム:主要中銀、「一過性」表現とともにガイダンス廃止が得策

[ロンドン 30日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、現在の物価高を描写する方法として「一過性」という言葉を使うのをやめようとしている。この際だから、パウエル氏をはじめとする主要中央銀行トップは、もう1つの無用な言語上の政策手段であるフォワードガイダンスも廃止できないだろうか。

米FRBのパウエル議長は、現在の物価高を描写する方法として「一過性」という言葉を使うのをやめようとしている。この際だから、パウエル氏をはじめとする主要中央銀行トップは、もう1つの無用な言語上の政策手段であるフォワードガイダンスも廃止できないだろうか。写真はワシントンのFRB。2018年8月撮影(2021年 ロイター/Chris Wattie)

パウエル氏は30日、消費者物価の急上昇に慎重な金融政策運営姿勢で対処することを正当化するため、自身や他の当局者がずっと用いていた一過性との表現は、もう撤回するのが恐らく適切だとの考えを示した。遅まきながらの感はあるかもしれないが、これは歓迎すべきだ。新型コロナウイルスのパンデミックに起因する供給網の混乱は、パウエル氏やイングランド銀行(BOE)のベイリー総裁が想定していたよりずっと長引いており、彼らの事実を「わい曲」した発言は説得力を失い続けていた。

中銀が発信する言葉は過去10年で政策上の重要な武器の1つになった。政策金利が過去最低ないしマイナスに沈んでしまったからだ。つまり将来の政策経路に言及するフォワードガイダンスは、中銀にとって市場に影響力を及ぼし、借り入れコストを引き下げる手段を提供してくれた。だがフォワードガイダンスは、現在のように経済の先行きに不確実性がある局面では、幾つかの欠陥をはらんでいる。BOEのチーフエコノミスト、ヒュー・ピル氏が先週語った通り、フォワードガイダンスは常に、経済情勢次第という条件が付く。しかしトレーダーや投資家は、こうした政策担当者のシグナルを確固とした約束と受け取る傾向がある。

これに付随する問題の難しさは、BOEが身に染みて分かっている。前総裁のマーク・カーニー氏は失業率と政策金利を結び付けたものの、実際に失業率が下がった時点で金融市場が想定したような行動を取らなかった。今のベイリー総裁も、11月初めに政策金利据え置きという予想外の決定を下し、市場は平手打ちをお見舞いされた。

だから中銀としては、特に経済の動きが読めない場合、政策担当者の考えがいかに流動的かを素直に明かした方がずっと得策と言える。もちろん、そうすると資産価格は幾らか不安定さが増すだろう。とはいえ、中銀の信認に対する長期的な打撃は避けられる。武器を使う能力とは、しまうべき時期を知ることを意味するのだ。

●背景となるニュース

*米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は30日、現在の物価高を描写する上で「一過性」という言葉はもはや最も正確ではなくなったとの見方を示した。

*パウエル氏は上院銀行住宅都市委員会で、高い物価上昇率がいつまで続くかの見通しを語る際に同氏がこれまでずっと「一過性」と主張してきた点を質されると、「恐らくこの言葉は引っ込める時期だ」と答えた。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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