for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up

ECB当局者、最後の貸し手としての危機対応強化論に反発

 [フランクフルト 18日 ロイター] ユーロ圏債務危機の深刻化を背景に、欧州中央銀行(ECB)に対し「最後の貸し手」として踏み込んだ対応を求める圧力が高まる中、ECB当局者などからは反論が相次いだ。 

 11月18日、ドラギECB総裁は、政府の対応の遅れに不満をあらわにし、EFSFの運用をできるだけ早急に始めるべきとの考えを示した(2011年 ロイター/Alex Domanski)

 ドラギECB総裁は18日、政府の対応の遅れに不満をあらわにし、欧州金融安定化ファシリティー(EFSF)の運用をできるだけ早急に始めるべきとの考えを示した。

 総裁は欧州銀行関連の会議で、欧州連合(EU)首脳はEFSF創設を1年半以上前に決定し、EFSFの拡充を4週間前に決定したと指摘。「長期にわたる決定の実行はいつ行われるのか」と訴え、ECBの関与拡大要求を退けた。 

 バイトマン独連銀総裁も、政府が危機対応の前線に立つべきと主張。「危機の収束が成功していないからといって、ECBの責務を過度に拡大したり、ECBに問題解決の責任を負わせることは正当化されない」とし、ECBの責務に対する明確なコミットメントは、ユーロの未来にとって欠くことのできない要素の1つと述べた。

 ゴンサレスパラモ専務理事も「ソブリン債務危機は、根本的に各国政府の責任だ。ECBに対応を求めることは可能だが、ECBの責務内においての対応に限られる」との考えを示した。

 一方、欧州復興開発銀行(EBRD)のミロー総裁は「ECBの行動が求められているが、ECBだけですべての仕事を引き受けることはできない」と述べた。  

 <量的緩和めぐる議論> 

 域内政治家の意見対立で政府の危機対応が後手に回る中、ECBに対しては現在行っている限定的な買い入れではなく、一段と踏み込んだ対応を求める声が高まっている。

 ギリシャのベニゼロス財務相は同日の記者会見で「ECBは他の中銀と同様、あらゆる手段を用いて、ユーロ圏の危機脱却を支援すべき」と主張した。

 だがECBの関与をめぐっては、ECBの役割拡大を求めるフランスと、断固として反対姿勢を崩さないドイツの間で意見が対立している。 

 ECBは現在、国債買い入れにより市場に供給した資金を不胎化オペを通じて吸収している。そのためECBは買い入れについて、米連邦準備理事会(FRB)やイングランド銀行(英中銀)が実施している量的緩和策ではないとしている。

 ただロイターが欧米の債券ストラテジスト50人を対象に今週実施した調査によると、ECBが量的緩和政策の採用に追い込まれる可能性は、予想中央値で48%となった。

 実際にECBが不胎化オペを中止し、事実上の量的緩和政策に乗り出せば、既存の政策からは大きな方針転換となる。

 市場関係者によると、ECBはこの日もイタリア国債を買い入れた。だがイタリア10年債利回りはこれまで、危険水域とされる7%前後の水準に高止まっている。

for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up