September 11, 2019 / 9:30 AM / 10 days ago

コラム:安倍首相は年内解散視野か、小泉・下村両氏起用の皮算用

[東京 11日 ロイター] - 内閣改造と自民党役員人事を断行した安倍晋三首相は、年内の衆院解散・総選挙を視野に入れているのではないか。キーパーソンは、初入閣する小泉進次郎氏と自民党選挙対策委員長に就任した下村博文氏だ。内閣支持率の上昇を確認できれば、11月解散の可能性もありそうだ。

9月11日、内閣改造と自民党役員人事を断行した安倍晋三首相(写真)は、年内の衆院解散・総選挙を視野に入れているのではないか。東京の首相官邸で撮影(2019年 ロイター/Issei Kato)

ただ、10月に再開される米中貿易交渉が進展しない場合、世界的な株安に直面しているリスクもあり、経済情勢をにらんだ決断になるとみられる。

<小泉人気で支持率上昇の思惑>

11日午前に新しい自民党役員の布陣が公表され、午後に閣僚名簿が発表されたが、多くの国内メディアが指摘しているように、安倍首相と距離が近く、官邸の意向が伝わりやすいメンバーと、派閥推薦の名簿に従ったと思われる人選が混在している。

その中で、衆院解散の視点から見た場合、光ってみえるのが、小泉新環境相だろう。国民的な人気が高く、滝川クリステルさんとの結婚発表では、民放テレビのワイドショーの話題を独占。今回の改造後の内閣支持率が、一段と上昇するという期待感が安倍首相にあるのは間違いないだろう。

この「小泉人気」を追い風にすれば、衆院選の準備が遅れている野党陣営を尻目に、年内解散に踏み切り、衆院選で大勝できるとの皮算用が描ける。

<2020年(訂正)は五輪で日程窮屈、迫る衆院議員任期>

その選挙準備を仕切る自民党選挙対策委員長に、安倍首相の腹心中の腹心である下村氏を充てたのは、決断すれば、いつでも衆院選に突入できる「態勢」を整えたと見ることができる。

実際、今年11月から12月に衆院解散をしない場合、2020年は東京五輪・パラリンピックの準備・本番の日程が立て込み、秋まで解散を断行する時間的な余裕がない。

一方、衆院議員の任期満了日は2021年10月21日で、来年秋には残りの任期が1年となり、遅れている野党側の選挙準備も整って、首相の専権事項である「解散権」の威力が低下。場合によっては、追い込まれ解散のリスクを背負うことにもなりかねい。

また、今年10月の消費税率引き上げの影響が、色濃く出ている可能性もあり、そのケースでは景気停滞や後退のリスクが衆院選の争点になりかねず、与党不利の環境となっていることも予想される。

先々のリスクを勘案すれば、11月14日からの大嘗祭を執り行った後、11月下旬から12月上旬に衆院を解散するシナリオが浮上してくることになると予想する。

<解散シナリオ、最大リスクは米中摩擦と株安>

だが、年内の解散・総選挙にも、大きなリスクが存在する。国内的には「低リスク」に見えるものの、海外情勢が不気味な動きをみせ、大きな波となって日本に打ち寄せる展開がありえる。

最大のリスクは、米中貿易問題の行方だ。直近の世界市場では、10月に米中間で閣僚クラスの貿易交渉が再開されるとのニュースを材料に、一時の危機感が後退している。

しかし、米国は中国国内での補助金政策の転換などを求めており、本当に決着するのか、この問題に詳しい専門家ほど「悲観論」に傾いている。

10月に交渉が進展していない場合、11月に世界中で株安になっている状況も十分にありえる。

また、小康状態となっている香港問題を打開するため、中国が10月1日の国慶節以降に「軍事介入」すれば、米国が強硬姿勢を強め、米中貿易問題の決着がさらに遠のくというリスクシナリオも、頭の片隅に置いておくべきだろう。

安倍首相は10月以降、内外の情勢を慎重に見極めながら、解散のタイミングをうかがうのではないか。

もし、次の衆院選で自民党が大勝すれば、21年9月に3選の任期が到来する安倍総裁の「4選」を可能にする党則改正を求める声が、浮上すると予想される。

今回の内閣改造・党役員人事は、安倍長期政権の「存続期間」を大きく左右することになりそうだ。

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