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焦点:第4次安倍政権、教育無償化に力点 景気握る賃上げは不透明
2017年10月23日 / 04:55 / 1ヶ月後

焦点:第4次安倍政権、教育無償化に力点 景気握る賃上げは不透明

[東京 23日 ロイター] - 衆院選に大勝した自民党の安倍晋三総裁(首相)は、11月1日の特別国会で首相指名を受け、第4次安倍内閣を発足させる。選挙で公約した幼児教育の拡充を含めた「人づくり革命」の具体化が当面の政策課題となる。ただ、経済活性化に欠かせない賃金上昇は、連合の来春闘要求が前年同額にとどまり、早くも暗雲が垂れ込める。経営側が賃上げに消極的な場合は、企業の内部留保に着目した対応策を打ち出してくる可能性もある。

 10月23日、衆院選に大勝した自民党の安倍晋三総裁(首相)は、11月1日の特別国会で首相指名を受け、第4次安倍内閣を発足させる。選挙で公約した幼児教育の拡充を含めた「人づくり革命」の具体化が当面の政策課題となる。写真は21日、選挙運動中の同首相(2017年 ロイター/Kim Kyung Hoon)

<幼児教育無償化に2兆円>

安倍首相は、新内閣の発足後、教育無償化を柱とする「人づくり革命」や「生産性革命」の具体策の実現プロセスを説明するとみられる。

中でも、安倍首相が力を入れているのが、幼児教育などの無償化。消費税率を10%にするのと引き換えに、無償化費用として2兆円を充てる方針を固めている。

内閣府などがまとめた試算では、幼児、高校、高等教育のすべてを無償化した場合の所要経費は約4.7兆円に上る。所得制限や奨学金の拡充案を検討し、年末にかけて詰めの調整に入る。

試算のうち、3歳から5歳児の幼児教育を完全に無償化するのに必要な負担額は7300億円。

0歳から2歳児については、所得制限を設けないケースで約4400億円となり、世帯収入を680万円以下に絞れば2300億円、360万円以下なら500億円に抑制できる。

政府内には「幼児教育で1兆円、高等教育などで1兆円弱となる見通し」との見方があり、財源にらみの調整となりそうだ。

<賃上げと内部留保、議論になる可能性>

安倍政権発足当初からの課題であるデフレ脱却に向けては、企業の賃上げが焦点となる。

首相周辺には「(2019年10月の)消費増税前の『デフレ脱却宣言』が望ましい」との声がある。

12年末からの景気拡大は戦後3番目の長さで、需給ギャップや雇用指標の改善から「残る条件は賃金」(別の政府関係者)との指摘も出始めた。

連合は、18年の春闘で、基本給を底上げするベースアップ(ベア)で2%程度とし、上げ幅は3年連続で据え置かれた。定期昇給を含めて4%程度の賃上げを求める方針だが、実現した賃上げ率は過去3年で徐々に縮小し、企業側が要求に応じるかは見通せない。

賃上げの原資となる企業の内部留保は、16年度に406兆円となった。15年度に32.11%だった法人実効税率を引き下げ、来年度の税率は29.74%となる。

また、アベノミクス効果である円安/株高の効果も手伝い、企業収益は増大する一方、国内の設備投資は抑制傾向が続き、内部留保が拡大する構図が定着している。

経済産業省は、法人税率を25%程度に引き下げたい考えだが、「法人減税と引き換えに外形標準課税をかけられれば無意味」(経済団体幹部)との反発から、内部留保をどう活用するかをめぐり、曲折が予想される。

ロイター日本語ニュース 編集:田巻一彦

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