[東京 3日 ロイター] - 第3次安倍再改造内閣が、3日夕に発足した。安倍晋三首相は麻生太郎副総理兼財務・金融担当相、菅義偉官房長官、岸田文雄外相ら主要閣僚を留任させるとともに、防衛相に稲田朋美政調会長、経済産業相に世耕弘成官房副長官を起用し、「安倍色」を打ち出した。
会見で安倍首相は最優先課題は経済であり、政策を総動員してデフレ脱却速度を引き上げると決意を述べた。
安倍首相は、同日午後6時半からの会見で、最大のチャレンジは働き方改革と指摘し、年度内をメドに実行計画を取りまとめる方針を示した。そのうえで新内閣は「未来チャレンジ内閣」であると述べた。
また、経済政策の行方に関連し、日銀とのポリシーミックスについては「政府・日銀一体で政策を総動員し、デフレ脱却に取り組む」と強調した。
再改造内閣では、8人が新たに入閣。山本有二・元金融担当相が農水相、松野博一・元文部科学副大臣が文部科学相、山本幸三・元経済産業副大臣が地方創生担当相、金田勝年・元外務副大臣が法相、今村雅弘・元農林水産副大臣が復興相、山本公一・元総務副大臣が環境相、鶴保庸介・元国土交通副大臣が沖縄北方担当相、松本純政調会長代理が国家公安委員長兼防災担当相に就任した。
また、五輪担当相には丸川珠代環境相が横滑りした。
加藤勝信・1億総活躍担当相は、新設される働き方改革担当相を兼務。高市早苗総務相、塩崎恭久厚生労働相、石井啓一国土交通相、石原伸晃経済再生担当相は留任した。
内閣改造とともに自民党役員人事も行われ、高村正彦副総裁は再任。二階俊博幹事長は総務会長からの起用となり、細田博之総務会長は幹事長代行、茂木敏充政調会長は選挙対策委員長から、それぞれ就任した。
二階幹事長は就任会見で憲法改正問題に対し、慎重のうえにも慎重に対応していく方針を表明した。
閣僚の顔ぶれをみると、多くの重要閣僚が留任し、これまでの主要政策を継続する「堅実さ」が重視された。
その中では、稲田防衛相、世耕経産相、丸川五輪相と安倍首相に近いとされる「有望株」を枢要なポストで処遇。独自色を出すことに腐心したとみられる。
*詳細を追加し、再構成しました。
田巻一彦 編集:山川薫
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