[チューリヒ 26日 ロイター] - 米医薬品・日用品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)JNJ.Nは、スイスの製薬会社アクテリオンATLN.Sの買収について同社と合意した。アクテリオンが26日明らかにした。買収価格は300億ドル。
J&Jは、アクテリオンの発行済み株式全株を1株当たり現金280ドルで買い取る。この価格は、25日終値に23%のプレミアムを乗せた水準。買収に当たっては仏サノフィSASY.PAも関心を示していたもようだ。
両社の共同声明によると、買収は両社の取締役会で全会一致で承認された。
J&Jは主要製品である関節リウマチ治療薬「レミケード」(一般名:インフリキシマブ)が、米ファイザーPFE.Nの類似薬との競争にさらされている。今回の買収によりJ&Jは、パイプラインを拡充し製薬事業を多角化することができる。
J&Jは、買収により調整済み1株利益、売上高や利益の加速に早期につながると見込んでいる。買収資金は、米国外で保有する現金を手当てするという。
同社のアレックス・ゴルスキー最高経営責任者(CEO)は声明で「買収は両社の株主に多大な価値をもたらすだろう」と述べた。
アクテリオンは、研究開発部門「R&D NewCo」(R社)をスイスで分離上場。R社株については、J&Jによる買収完了後にアクテリオンの株主へ株式配当として割り当てる計画だ。
J&JはR社株を当初16%保有し、追加で16%取得する権利を持つ。さらに、R社が開発中の抵抗性高血圧治療薬に関する権利も取得する。
*内容を追加しました。写真も加えました。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」