[ムンバイ/ニューデリー 10日 ロイター] - インド証券取引委員会は、財閥アダニ・グループの中核企業アダニ・エンタープライゼズが総額25億ドルの公募増資を中止した問題で、増資手続きに参加した機関投資家と同グループとの関係を調査している。米投資会社ヒンデンブルグ・リサーチが主張するアダニの不正行為について、当局が懸念を強めていることが背景。
関係筋によると、証取委は増資手続きが証券法違反や利益相反に該当していないかについて調べているという。
具体的には、増資手続きに参加した長期保有目的の「アンカー投資家」のうち少なくとも、モーリシャスを拠点とするグレート・インターナショナル・タスカーファンドとアユシュマット(Ayushmat)の2社について、アダニとの関係を調べているという。
インドの資本金と情報開示に関する規制下では、企業の創業者や創業者グループに関連する団体は、アンカー投資家として増資に参加できない。
証取委はまた、増資の幹事だった投資銀行10行のうち、エララ・キャピタル(Elara Capital)とモナーク・ネットワース・キャピタルの2行にも接触した。
ヒンデンブルグは、アダニ・グループのプライベートエクイティー(PE)がモナークの一部を保有していることによる利益相反を主張し、エララのモーリシャス拠点のファンドがアダニ関連株に投資しているとも指摘している。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」