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フォトログ:アフガニスタン、援助の途絶がもたらす孤児院の苦境

[カブール 15日 ロイター] - アフガニスタンの首都カブールにある大規模な孤児院。ここでプログラム・ディレクターを務めるアフマド・カリル・マヤン氏(40)によると、孤児院の資金は底を突きつつあり、毎週子どもたちに与えている果物や肉の量を減らしているという。

アフガニスタンの首都カブールにある大規模な孤児院。ここでプログラム・ディレクターを務めるアフマド・カリル・マヤン氏によると、孤児院の資金は底を突きつつあり、毎週子どもたちに与えている果物や肉の量を減らしているという。写真は9歳のサミラさん。10日撮影(2021年 ロイター/Jorge Silva)

イスラム主義組織タリバンが国内を制圧し、数百万ドルもの海外からの支援が突然途絶えてから2カ月、マヤン氏は国内外を問わず、過去に支援してくれた寄付者に必死に電話やメールで連絡を試みた。

マヤン氏は、カブール北部にある広大な孤児院「シャムサ・チルドレンズ・ビレッジ」でロイターの取材に応じ、「残念ながら、アフガン人・外国人の支援者も、そして各国の大使館も、大半がこの国を離れてしまった。電話やメールへの返事がない」と語った。

「ほんのわずかの資金と食料でここを運営していこうと努力している」と彼は続けた。

学校のノートに目を通すマヤン氏。

この孤児院では3歳以上の子どもたち約130人が暮らしている。10年以上前から運営されており、両親を失った孤児や、片親で経済的に子育てが難しい家庭の子どもを受け入れている。

そうした子どもの1人がサミラさん(9)だ。北東部バダフシャーン州に生まれたが、父親を亡くし、母親にはサミラさんやその兄弟を育てるだけの稼ぎがなかったため、2年ほど前からこの孤児院に入った。

カブールで涼しさが感じられる日、サミラさんは屋外の運動場で、勉強するときと同じくらい真剣に遊ぶ。ブランコで高く上がるたびに満面の笑みが広がる。まだ9歳と幼いが、すでに追加の授業も受けており、大人になったら医者になりたいと願っている。

孤児院で友人と遊ぶサミラさん。

「国のために尽くして、他の人を病気から救いたい。他の女の子も勉強して、将来は私のように医者になってほしい」。サミラさんは内気そうな笑顔を見せてロイターに語った。

こうした孤児院がアフガニスタンで果たしている役割は非常に大きい。40年以上にわたり国内を荒廃させている戦闘により、市民が何万人も殺害されているからだ。

タリバンが権力を奪還して以来、慈善団体や非政府組織(NGO)、一般のアフガン人が資金難に苦しむ中で、マヤン氏は辛い選択を迫られるようになった。

孤児院では、数人の子どもを比較的余裕のある親族のもとに送り返そうとしたが、1人、また1人と戻ってきてしまった。

朝食とお茶を分け合うサミラさんと他の子どもたち。

マヤン氏によれば、孤児院の職員は、子どもたちに与える食品の量や種類を減らさざるを得なくなっているという。

「以前は、果物を週に2回、肉も週に2回出していた。だが今では週に1回だけにしているし、たぶんそれさえ維持できていない」

<途絶えた支援>

冬が近づく中で経済危機に直面したタリバン当局者は、西側諸国政府に支援金の拠出を再開するよう呼びかけている。米国には、アフガンの中央銀行が海外に保有する準備金90億ドル以上について凍結を解除するよう求めた。

だが、タリバン政権の承認を拒否する国は多い。何しろ最近まで、アフガン駐留各国部隊や、それと連携するアフガン国内組織に対して「聖戦」と称する抵抗活動を続けてきた相手だからだ。

スクールバスまで歩くサミラさんたち。

女子生徒に対する中等教育や女性の就労など、基本となる市民的自由を保障することをタリバンに要求している政府もいくつかある。

タリバンは1996年から2001年にかけて政権の座にあった時期にはあらゆる女子教育を禁止していたが、この問題について取り組んでいると表明している。

孤児院の苦境をさらに深めているのは、外貨の急激な流出を避けるために、銀行口座からの引き出しが週200ドル(約2万2900円)に制限されている点だ。結果として、資金に十分にアクセスできず、子どもや職員を支えられない状況が生じている。

孤児院で授業に出席する子どもたち。

マヤン氏は、この状況が続くようなら、遠からず孤児院の機能を維持できなくなるのではないかと案じている。

そうなれば、ここで暮らす子どもたちにとっては、数学や英語、コンピューターや体育の授業を受けられるだけでなく、食事や住居も頼っているだけに、悲惨な事態が訪れることになる。

医者になる夢を抱くサミラさんは、それでも年齢ゆえに孤児院以外の学校に通うこともできる。彼女はもっと勉強するために、午後には追加の授業に出席しているのだ。

登校前にチャドルを着けるのを手伝ってもらうサミラさん。

困難な状況でもサミラさんは夢を諦めていない。だがそんな彼女も、目標を実現するには外国で勉強する必要があるかもしれないと覚悟はしている。

「この国では(女子は)勉強させてもらえないから」

(Gibran Naiyyar Peshimam記者、Jorge Silva記者、翻訳:エァクレーレン)

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