[ヨハネスブルク 24日 ロイター] - アフリカ開発銀行(AfDB)は、年次の「アフリカ経済見通し」を発表し、2023・24年のアフリカ経済は世界的な金融政策引き締めとロシアによるウクライナ侵攻の影響下でも小幅に上向く見通しだが、南アフリカの成長は大幅に鈍化するとの見通しを示した。
今年のアフリカ国内総生産(GDP)伸び率は4%、来年は4.3%の予想という。昨年は3.8%だった。ただ、21年の4.8%は下回る水準。
AfDBのアデシナ総裁は、世界的な高金利やドル高などのリスクに加え、ウクライナでの戦争継続で食料情勢が一段と不安定化し、さらなる価格上昇が生じる可能性があるとの見方を示したうえで「慎重な楽観」を呼びかけた。
今年の南部地域の成長率は1.6%と昨年の2.7%から大きく鈍化の予想。1日10時間にも及ぶ計画停電で経済が低迷している南アが足を引っ張るとみられている。
南アのGDP伸び率についてAfDBは、今年が0.2%、来年が1.5%と予想を大幅下方修正した。
今年のアフリカの平均インフレ率予想は15.1%と、昨年の14.2%から伸びが再加速するという。
債務の対GDP比平均は、今年が66%、来年が65%の予想。
AfDBは国内債務が増加する見通しと指摘し「高リスクに直面している諸国の公共債務危機解決において、国内債務の再編が交渉要素の1つになる」と分析した。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」