for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up
コラム

コラム:アリババに中国が罰金、米当局はアマゾンにどう出るか

[ワシントン 12日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 中国の電子商取引最大手・アリババグループが中国規制当局から約28億ドル相当の罰金を科されたことで、米国の同業大手、アマゾン・ドット・コムは心配になって当然だ。中国の一件は、当局が「市場」の中身を定義し、データの利用法を問題点として指摘することが可能なことを示した。これは米当局がまだ実行していない点だが、米当局にも可能かもしれない。  

The logo of Amazon is seen at the company logistics centre in Boves, France, September 18, 2019. REUTERS/Pascal Rossignol - RC1F9668E550

米国の巨大IT企業が、同国の規制当局の目を逃れてきた理由はいくつかある。第1に、当局が市場での不正行為を特定する場合、まず「市場」が何を指すかで合意を形成する必要がある。それさえ簡単なことではない。

アマゾンのベゾス最高経営責任者(CEO)は昨年の米議会で、自社が競争している場は小売市場全体だと主張した。米国の小売市場全体に占める同社のシェアは4%に満たない。

しかし、イーマーケターによると、電子商取引ではアマゾンのシェアは40%になり、2位のウォルマート・ストアーズの7%を大きく引き離している。

中国国家市場監督管理総局(SAMR)は10日、自らの見解を明示した。アリババが属する場所は、オンライン小売プラットフォーム業界と指摘。同社が主張してきた「B to C(企業から消費者に向けた)」電子商取引市場ではないとした。

しかし、SAMRはわざわざ、小売業でも実店舗型は規制上で別扱いだと規定。実店舗は地理的制約があり、往々にして電子商取引に比べて運営コストが高く、商店と消費者を結びつける手段も非効率だと説明して見せた。

中国当局の見方では、データも重要な位置付けになっている。データについては米当局も重きを置き、アマゾンを慎重に審査するだろう。SAMRは、オンラインプラットフォーム業者がユーザーから集めた大量の情報を利用してターゲットとなる顧客を見極めたり、個々の顧客に合わせた検索結果を示したりできると指摘。さらに、アリババが中国最大の公共的なクラウド・サービス業者であり、これが同社のオンライン小売事業に役立っているとした。

アマゾンも、データを自分たちに有利になるよう利用しているとして批判を浴びてきている。サードパーティーの出店者は、アマゾンの自分たちとの競争が不公正だと不満を述べている。巨大IT企業であるアマゾンがプラットフォームで集めた情報を利用し、自ら製品を売っているからだ。

アマゾンは米国最大のクラウド業者でもある。ネットワーク効果がアリババを利しているという中国当局の主張は、米国でアマゾンに対しても展開される可能性がある。

ベゾス氏にとって幸いなことに、米中当局には異なる点が1つある。米国の反トラスト法(独占禁止法)体系は価格に焦点を絞る傾向があり、米裁判所は伝統的に米消費者の福利を守ることを判断の目標としてきた。対照的に、SAMRが指摘した社会的福祉に対する脅威は、もっとあいまいだ。

アリババは、創業者の馬雲(ジャック・マー)氏が中国政府を批判したことで格好の標的になった可能性もある。中国のような政府ならば、大局的かつ独創的な独禁法へのアプローチも可能だろう。米国ではこれは難しい。それがアマゾンには救いになるかもしれない。

●背景となるニュース

*アリババは12日、プラットフォームの参入障壁を下げ、出店者の事業コストを下げる措置を導入すると表明した。

*これは中国国家市場監督管理総局(SAMR)が10日、アリババに独禁法違反で約180億元(28億ドル)の罰金を科すと発表したことへの対応。SAMRは調査により、同社が2015年から市場での独占的地位を乱用してきたと結論付けた。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにロイターのコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。

for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up