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コラム

コラム:アリババ創業者どこに、中国富豪に「謎の失踪」の前例

[香港 5日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 馬雲(ジャック・マー)氏はどこに消えた――。中国の電子商取引大手、アリババグループと傘下金融会社、アント・グループの創業者、馬氏が数カ月前から姿を見せなくなっている。中国政府が両社への締め付けを強めている今は、おとなしくしているのが賢明だと判断したのかもしれない。

 1月5日、馬雲(ジャック・マー)氏(写真)はどこに消えた――。千葉市で開かれたカンファレンスで2015年6月撮影(2021年 ロイター/Yuya Shino)

しかし、中国では以前から、大富豪らの「謎の失踪」劇が多く、「懸念」が広がるのは無理もない。

馬氏が最後に公の場に姿を見せたのは昨年10月末、上海での会議だった。馬氏が中国の金融規制当局と銀行を激しく批判したところだ。この運命のスピーチが結局、連鎖的な反応の引き金となった。

アントが計画していた370億ドルの新規株式公開(IPO)は突然中止され、当局はアリババの電子商取引慣行に独占禁止法違反の疑いがあるとして調査に入った。

ここ数日は、英紙フィナンシャル・タイムズの報道を受けてさらに謎が深まった。同紙によると、馬氏は昨年11月、自身が作ったテレビ番組シリーズ「アフリカの実業ヒーローたち」の審査員から降板した。この回はまだ、放送されていない。

アリババの広報担当者は日程調整でもめたと説明したが、今もソーシャルメディア上では、中国で最も名を知られる大富豪、馬氏の行方を巡る臆測が絶えない。香港に上場しているアリババの株価は年明けからさらに5%下落した。馬氏はもうアリババの執行役でも取締役でもないが、依然として一定の小口株主だ。

馬氏が懸念を鎮めようと思えば簡単にできるはずなので、心配が生じるのは理解できる。中国では過去に一時的に失踪した、あるいは今も失踪したままの企業幹部が数多くいる。

トゥモロー・グループの会長は2017年、香港の高級ホテルから姿を消したまま行方不明となり、同社はその後解体された。復星国際の郭広昌会長は15年、突如消息を絶った後、急に姿を現したが、その理由は謎のままだ。

馬氏は国際的にも顔が広いだけに、懸念は増すばかりだ。カリスマ企業家として世界中の投資家を魅了し、世界経済フォーラムのダボス会議では世界の金融エリートと会食していた人物だ。国内では小さな事業から身を起こした立志伝中の人物として、熱狂的な支持を集めている。2カ月にわたる謎の沈黙。仮に警戒すべき裏事情はないとしても、今回の一件は多くを物語っている。

●背景となるニュース

*馬雲氏は10月末に上海で開かれた2020フォーラムに出席して以来、公の場に姿を現していない。同氏はこの場で中国の規制制度を批判した。

*1日付のフィナンシャル・タイムズ紙によると、馬氏は11月、自身が作ったビジネス人材に関するリアリティー・ショー番組の最終回で審査員を降板した。アリババの広報担当者はロイターに対し、審査員交代の理由は日程調整を巡るもめ事だと説明したが、それ以上のコメントは控えた。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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