[26日 ロイター] - 米グーグルの持ち株会社アルファベットが26日に発表した第2・四半期決算は、市場予想とほぼ同水準の売上高を計上した。スナップなど競合企業の決算ほど失望を誘う内容ではなかったことから株価は引け後の取引で3%上昇した。
一時は4.3%値上がりする場面もあった。
ファクトセットとリフィニティブのデータによると、グーグルの検索広告収入は市場予想を上回った。一方、動画共有サイト「ユーチューブ」の広告収入や、クラウドコンピューティング事業、その他のアルファベットの事業の売上高は全て予想を下回った。
インベスティング・ドット・コムのシニアアナリスト、ジェシー・コーエン氏は「迫力に欠ける四半期だったにもかかわらず期待がかなり低かったことから投資家は安堵した」と述べた。
第2・四半期の売上高は前年同期比13%増の696億9000万ドル。リフィニティブがまとめた市場予想平均は698億8000万ドルだった。
アルファベットは第1・四半期の売上高も市場予想を約1億ドル下回っていた。売上高が2四半期連続で市場予想を下回るのは2015年以来。
賃金上昇に加え、燃料などの価格上昇により、今年は一部の広告主がマーケティングの縮小を余儀なくされている。
米大手多国籍企業はドル高の影響で海外事業の収益も圧迫されている。
アルファベットは為替相場が売上高を3.7%押し下げたとし、為替変動がなければ売上高は720億ドル近くになっていたとした。同社は売上高の約55%を国外で稼いでいる。
CNBCによると、ルース・ポラット最高財務責任者(CFO)は記者団に対し、為替の影響は第3・四半期にさらに大きくなると述べた。
全体の売上高の81%を占める広告事業の第2・四半期の売上高は562億9000万ドル。市場予想平均は566億7000万ドルだった。グーグルの検索広告収入は406億9000万ドルで、ファクトセットの予想(401億5000万ドル)を上回った。
インサイダー・インテリジェンスのアナリスト、エブリン・ミッチェル氏は「グーグルは待ち受ける荒波を乗り切るのに比較的良い状態にある」と述べた。
クラウド事業グーグルクラウドの売上高は63億ドルで、ファクトセットがまとめたアナリスト予想の64億ドルを下回った。ユーチューブの広告収入(73億ドル)も予想(75億ドル)に届かなかった。
全体の利益は160億ドル(1株当たり1.21ドル)。市場予想平均は1.29ドルだった。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」