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アルファベット、第1四半期売上高は3年ぶり低い伸び 株価下落

[29日 ロイター] - 米グーグルの持ち株会社アルファベットGOOGL.Oが29日発表した第1・四半期決算は、売上高が市場予想を下回り、3年ぶりの低い伸びにとどまった。広告事業の競争激化やスマートフォン事業の苦戦に加え、傘下の動画投稿サイト「ユーチューブ」での見直しなどが響いた。

 4月29日、米グーグルの持ち株会社アルファベットが発表した第1・四半期決算は、売上高が市場予想を下回った。北京で昨年8月撮影(2019年 ロイター/Thomas Peter)

決算を受け、株価は引け後の時間外取引で7.5%下落した。通常取引では好業績への期待から約1.5%上昇し、終値で過去最高値を更新していた。

広告配信で競合するフェスブック(FB)FB.O、スナップSNAP.N、アマゾン・ドット・コムAMZN.O、ツイッターTWTR.Nの四半期売上高は好景気を追い風に軒並み予想を上回っており、対照的な結果となった。

アルファベットのルース・ポラット最高財務責任者(CFO)は売上高の伸び鈍化について、為替変動や競争激化のほか、商品の変更が影響したと説明したが、変更の具体的な内容は明らかにしなかった。

アルファベットは、広告主からユーチューブのコンテンツ管理を強化するよう求められている。また、グーグルはモバイル端末や家庭用音声アシスタント機器、新興国での広告形態について、適切な組み合わせを見いだすことに苦慮している。

決算会見ではアナリスト11人中8人が売上高の問題について質問し、異例の関心の高さを示した。ただ、経営陣は新しい情報をほとんど提供しなかった。

ポラットCFOは売上高の伸び鈍化に関連し、ユーチューブでの見直しが前年第1・四半期に売上高を押し上げたが、今年はそうした効果が得られなかったと述べた。

グーグルのサンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)は、長期目標に注力するに伴い売上高が減速するのは想定されることだとし、「時には四半期ごとに変動するが、われわれが見込む好機については引き続き確信している」と述べた。

アルファベットの第1・四半期売上高は前年同期比17%増の363億ドル。過去3年で最も低い伸びにとどまり、リフィニティブのまとめたアナリスト予想の373億ドルを下回った。前年同期の伸び率は26%だった。

グーグルの広告事業の収入が全体の売上高の約84.5%を占めた。同比率は前年同期の85.5%からは縮小した。

広告調査会社イーマーケッターの上級予測部長モニカ・パート氏は「特に海外市場の収入を中心に、グーグルの広告収入の伸びは広告価格の下落圧力の中で減速してきた」と指摘した。

ピチャイ氏は、今後数週間でユーチューブ上の広告管理をさらに強化するとし、収入に影響が生じる可能性があるとの見方を示した。

ポラットCFOは、スマホ「ピクセル」の第1・四半期の販売もプレミアム機種分野の激しい競争により苦戦したと明らかにした。同社は来月、より低価格の機種を発表するとみられている。

第1・四半期の費用は前年同期比16.5%増の297億ドル。支出の大部分はオフィスやデータセンター、需要拡大が見込まれる人工知能(AI)技術などに向けられており、費用増は正当化されるとの見方を示している。

今四半期の費用には、欧州委員会が3月にインターネット広告事業で反競争的行為があったとして傘下グーグルに科した制裁金17億ドルも含まれる。[nL3N2173U8]

制裁金を含むベースでの純利益は67億ドル(1株当たり9.50ドル)。アナリスト予想は73億ドル(同10.48ドル)。制裁金を除くベースでは、純利益は83億ドル(同11.90ドル)で、1株利益は市場予想の10.61ドルを上回った。

制裁金を除く営業利益率は23%で、前年同期の22%から上昇した。

アルファベットの株価は年初来23%値上がりした。ただ、FAANG銘柄では最も低い伸びとなっている。FBは48%、ネットフリックスは39%、アップルは30%、アマゾンは29%、それぞれ上昇している。

*内容を追加しました。

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