[31日 ロイター] - 米アマゾン・ドット・コムAMZN.Oが31日に示した第1・四半期売上高見通しは市場予想を下回った。インドで規制上の問題に直面しているほか、欧州でインターネット通販売上高が減速していることが背景。
引け後の時間外取引で、株価は5%超下落し1623.90ドル。
2019年第1・四半期の純売上高は560億─600億ドルになると予想。リフィニティブのまとめたアナリスト予想は607億7000万ドル。
同社は顧客を引きつけるため、迅速な配送サービスや利用者専用のネット配信TV番組を提供。ネット通販では米ウォルマートなどとの競争が激化しているが、その中で世界最大手としての優位を保っている。アマゾンの利益率は一時低下していたが、業者が支払う配送や広告費用により改善してきた。
ただ、同社が海外で将来利益を見込んで長期にわたり損失を出していることに、投資家は注意を向け始めた。営業損失は6億4200万ドルと、前年同期の9億1900万ドルから縮小したものの、インドでは電子商取引(EC)サイトの外資新規制が2月に発効。EC取引企業は自らが出資している業者の製品を販売することが禁止され、アマゾンに影響を及ぼすとみられる。
ブライアン・オルサブスキー最高財務責任者(CFO)は電話会見で「インドでの状況は現在、やや流動的となっている。若干の不透明感がある」と指摘。顧客と売り手への影響を最小限にとどめることが目標だとし「インドは引き続き、長期的な好機」との見方を示した。
ベアード・エクイティ・リサーチのアナリスト、コリン・セバスチャン氏は「国内での成長も概して鈍化しているが、インドの問題は第1・四半期見通しに悪影響を与えている」との見方を示した。
第1・四半期の売上高見通しには、為替変動による2%ポイントのマイナスの影響が含まれているという。
合わせて発表した18年第4・四半期決算は、純売上高が19.7%増の723億8000万ドルで、市場予想の718億7000万ドルを上回った。好調な年末商戦の売り上げが寄与した。
純利益は30億3000万ドル(1株当たり6.04ドル)と、前年同期の18億6000万ドル(同3.75ドル)から63%増加し、アナリスト予想を上回った。
ハーグリーブス・ランズダウンの株式アナリスト、ニコラス・ハイエット氏は「アマゾンはクリスマスにかけて容赦のない攻撃を続けた」と指摘した。
最大市場である北米の純売上高は18.3%増の441億2000万ドル。国際事業の売上高も予想をやや上回った。
年末商戦期間中に有料会員サービス「アマゾンプライム」の加入者数が増加し、会費による収入は25%増の40億ドルとなった。アマゾンプライムの全世界での加入者数は1億人を超えている。
クラウド事業のアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の売上高は45.3%急増の74億3000万ドルで、予想の72億6000万ドルを上回った。
広告を含む「その他」の収入は95%増の34億ドルだった。
*内容を追加します。
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