May 5, 2019 / 3:44 AM / 2 months ago

コラム:巨人アマゾン、批判をかわす「最良の武器」は何か

[ニューヨーク/サンフランシスコ 25日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米アマゾン・ドット・コム(AMZN.O)のジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)は1998年以来、毎年1回株主に書簡を送っており、第1回目には「すべては長期的なものだ」と記した。

 4月25日、米アマゾン・ドット・コムのジェフ・ベゾスCEOが電子商取引業界の巨人である同社の未来を確かなものにする上で「最良の武器」となるのは何か。写真はフランスで2018年撮影(2019年 ロイター/Pascal Rossignol)

今やアマゾンの売上高は2019年1─3月期だけで600億ドルと、ベゾス氏が第1回目の書簡をしたためた時点からおよそ100倍に膨らみ、それに伴って同社の抱える課題も変化した。ベゾス氏が電子商取引業界の巨人、アマゾンの未来を確かなものにする上で「最良の武器」となるのは、売上高の伸びではなく「事業の地方での拡散」と「有用性の向上」だ。

アマゾンに対し国内の政治家が向ける視線は、他のIT関連企業ほどは厳しくはない。

2020年大統領選への出馬を表明しているエリザベス・ウォーレン氏とバーニー・サンダース氏は競争法違反や賃金水準への懸念からアマゾンを批判しているが、ベゾス氏はフェイスブック(FB.O)やアップル (AAPL.O)、アルファベット(GOOGL.O)傘下グーグル、ツイッター(TWTR.N)などのトップと異なり、議会の公聴会に呼ばれたことはない。2017年に小売り大手ホールフーズの買収に合意した際にも、注目の的にならずに済んだ。

理由の1つには、アマゾンがソーシャルネットワークではなく製品販売のプラットフォームであり、ユーザーのコンテンツがそれほど問題にならないのが理由だ。議員3人はBreakingviewsの取材に対して、アマゾンは規模が大きいが、少なくともむちゃはしていないと述べた。

しかしアマゾンが永遠にスポットライトを回避できるわけではない。直近の四半期決算の売上高の前年比伸び率は17%だが、同社のプラットフォームを利用している企業へのサービスとクラウド事業の売上高はこの2倍のペースで増加した。この2つはもっとも強い批判を浴びている事業だ。

ベゾス氏がアマゾンへの批判をなだめるには2つの対応が必要で、これらの対応を進めるとアマゾンはいずれ利益の組み合わせが変わるだろう。

第1にアマゾンは事業を拡散することで多くの地方自治体や政治家を味方に付けている。既に米国の全ての州の半数以上に倉庫や配送センターを置いているが、これはまだまだ拠点のない州が多いということでもある。最低時給は15ドルと低くないが、バンク・オブ・アメリカは20ドルに引き上げる予定だ。

アマゾンは社会的な問題の解決に役立つプロジェクトにもっと資金を振り向ける必要もある。たとえそれが、直接的には株主の利益にならなくともだ。

例えば通信のAT&Tはトランジスタやデータネットワーク、携帯電話などの発明を世に送り出すことで数十年にわたり強制的な企業分割を免れた。ベゾス氏は既に株主に対してアマゾンの失敗の規模が小さいければ努力が足りないのだと述べている。また、3000基の衛星を打ち上げて世界規模でブロードバンドネットワークを構築することも計画している。目こぼしを得る最良の道は、愛されることではなく役に立つことだ。

●背景となるニュース

・アマゾンが25日発表した第1・四半期決算は、売上高が前年同期比17%増の597億ドル、純利益は2倍超増の36億ドルだった。

・2020年米大統領選への出馬を表明している民主党のウォーレン上院議員は22日のツイッターに、アマゾンは「中小企業がアマゾンの電子商取引プラットフォームで商品を販売する際にデータを集めて」ヒット商品を模倣し、競争を阻害していると投稿した。

・これに対してアマゾンもツイッターで、個々の売主のデータを利用してプライベートブランド(PB)を立ち上げることはないと反論。PBが売上高全体に占める比率は1%以下だとした。

・アマゾンのベゾスCEOは11日に公表した、年に1度の株主宛ての書簡で、成長している企業は失敗が付き物だと主張。「失敗の規模が小さいのならば、変化を起こすほどの投資をしていないということだ」と持論を展開した。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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