[31日 ロイター] - 米半導体大手アドバンスト・マイクロ ・デバイセズ(AMD)が31日発表した第4・四半期決算は、売上高が市場予想を上回った。同社が競合インテルに猛追しているとの投資家期待が高まった。
同時に発表した業績見通しは多くのアナリスト予想を下回った。ただ、時間外取引で株価は約1.5%上昇した。
CCSインサイトのアナリスト、ウェイン・ラム氏は「AMDはデータセンター向け半導体でもインテルを追い上げた」と述べた。
AMDのリサ・スー最高経営責任者(CEO)は「需要環境はまちまちだが、2023年に市場シェアを獲得し、差別化された製品ポートフォリオに基づく長期的な成長を達成する能力があると確信している」と述べた。
第4・四半期の調整後売上高は16%増の56億ドルで、リフィニティブがまとめたアナリスト予想の55億ドルを上回った。
データセンター部門の売上高は42%増の17億ドルだった。
スーCEOは、今年のパソコン市場は10%縮小すると予想し、下流部門の在庫を減らすために第1・四半期に引き続き出荷を調整すると説明。さらに「第1・四半期にPC市場は底入れし、第2・四半期から下期にかけて上向く」と述べた。
調査会社ムーア・インサイツ・アンド・ストラテジーのアナリスト、アンシェル・サグ氏は「状況が好転するまで少なくともあと数四半期は業界全体で厳しい状況が続く」と指摘した。
CFRAリサーチのアナリスト、アンジェロ・ジノ氏は「AMDの業績はパソコンとゲーム市場が依然軟調なことを示している」とした上で「パソコンとゲーム部門の売上高は今年上期に底入れする」と分析した。
第1・四半期売上高見通しは53億ドル(プラスマイナス3億ドル)とし、アナリスト予想平均の54億8000万ドルを下回った。
インテルも先週、第1・四半期が赤字になるという見通しを示した。パソコン市場の低迷やデータセンター向けの減速が背景。
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