[リマ 12日 ロイター] - ロス米商務長官は12日、中南米諸国は中国よりも米国との貿易から受けている恩恵の方が大きいと見方を示し、米国は同地域における主導権を「権威主義国家」には明け渡さないと言明した。
13日から当地で始まる米州首脳会議を前に、経済界のイベントで講演した。
長官は、中南米から中国への輸出の大半が原材料と農産物であるのに対し、米国への輸出はほとんどが工業製品であり、「こうした高付加価値製品は高賃金の雇用を創出するため、地元経済にとってより有益だ」と主張した。
その上で「中南米地域の天然資源を搾取する権威主義国家に米国は主導権を渡さない」と述べた。
米中貿易摩擦を巡っては、米国が摩擦を激化させればちゅうちょなく反撃するとの中国政府からの発言について質問が出た。長官は「反撃するかどうかの問題ではない」と答え、「これは長年の問題だ。米国は行動に踏み切り、中国も行動した。どのような結末になるか様子を見る」と述べた。
ロス長官はさらに、中南米諸国は「関税・非関税障壁が不必要に高い」と批判し、貿易促進に向けた取り組みを強化するよう求めた。
講演後には記者団に対し、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉で合意することが「理にかなっている」と述べたが、時期については言及を控えた。
*内容を追加しました。