for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up

厳しい環境規制、貿易の不利益とならず=OECD報告書

[ロンドン 10日 ロイター] - 経済協力開発機構(OECD)は10日、炭素排出への課金や大気汚染規制など厳しい環境保護政策を実施している国が、そうでない国と比べて国際貿易の上で大きく不利になることはないとする報告書を発表した。

欧州は、二酸化炭素の排出枠を売買するための温暖化ガス排出量取引制度(ETS)を導入しており、トン単位で排出枠の足りない分を購入することができる仕組みになっている。エネルギーを大量に消費する産業がETSを通じて支払っているコストをどのように補うかを欧州の議員らは議論している。

OECDでチーフエコノミストを務めるキャサリン・L・マン氏は報告書に合わせて発表した声明で「環境政策は国際取引を左右する大きな要因ではない」と強調。「各国政府は、規制強化が輸出に打撃を与えると考えることをやめ、技術革新がもたらす優位性に注目すべきだ」と主張した。

報告書によると、最も環境政策が厳しいとされる国(デンマークとドイツ、スイス)から、より規制が緩いとされる主要新興国(ブラジルとロシア、インド、中国、南アフリカ)への輸出は1995年から2008年の間に112億ドル増えた。

厳しい規制がなければ、化学や金属など汚染が激しい産業からの輸出高はさらに3%多かったとみられるが、その分、電子機器などよりクリーンな産業からの輸出が3%増えたしている。

欧州委員会はETS制度の下で、規制がそれほど厳しくない場所へと欧州企業の移転を避けるため、無償の排出枠を提供している。

対象となる部門は現在180程度だが、いずれ50部門程度に縮小される予定だ。最終的な対象リストは2019年に決まる。

報告書を共同執筆したOECDのトマーズ・コズラック氏は、記者団に対して「環境政策の適用から守られているこれらの企業は技術革新を推進し、自らをクリーンにしようとする意欲が低い」と話している。

欧州委員会の試算によると、2021年から2030年の間に提供する排出枠は1600億ユーロ(1740億ドル)相当にのぼる。

for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up