[バンコク 16日 ロイター] - タイのウッタマ財務相が16日辞任した。長らく経済政策を牛耳っていたソムキット副首相のほか、エネルギー相、高等教育・科学・研究・革新相も辞任し、苦境に陥ってる国内経済の立て直しを誰が主導するのか市場では懸念されている。
ウッタマ氏は6月末、与党「国民国家の力党」の党首を解任され、財務相ら閣僚3人は先週、離党していた。
ウッタマ氏は記者会見で、経済を前に進めるために「辞任に適切な時期だ。圧力はなかった」と説明。首相らへの政治的圧力を和らげるために辞任したと述べた。
報道によると、タイ銀行協会のプリディー会長が後任となる見通し。
ソムキット副首相の後任には国家経済社会開発評議会(NESDC)のトサポーン事務局長が有力だ報じられている。
プラユット首相は辞任を受け、早期に内閣改造を実施するとし、来月中には行うと述べた。
スタンダード・チャータード銀行のエコノミスト、Tim Leelahaphan氏は「最も差し迫った問題の1つは、いかに早期に新たな経済チームが後を継ぐかだ」と述べた。
タイでは次期中央銀行総裁の選定プロセスも進んでおり、メディアによると、元世界銀行エコノミストでプラユット首相の経済アドバイザーであるセサプット・スティワートナルエプット氏が最有力だという。
カシコーン銀行の資本市場調査部門責任者、KobsidthiSilpachai氏は「新経済チームの陣容は、次期中銀総裁選定プロセスにも影響するため、市場は注目している」と述べた。
ノムラ(シンガポール)のエコノミスト、Charnon Boonnuch氏は「政治の不透明感の高まりは、長期的な改革や大規模な投資の障害となり、経済にとって主要な逆風」と指摘した。
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