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インタビュー:新燃料SAF安定供給で新たな提携模索、国に支援も要請=ANA執行役員

6月17日、ANAホールディングスの宮田千夏子執行役員はロイターとのインタビューで、2050年のカーボンニュートラル実現のため、持続可能な航空機用燃料(SAF)の安定供給で新たな提携を模索する意向を示した。写真はANA機。仏トゥールーズで2019年3月撮影(2021年 ロイター/Regis Duvignau)

[東京 17日 ロイター] - ANAホールディングスの宮田千夏子執行役員はロイターとのインタビューで、2050年のカーボンニュートラル実現のため、持続可能な航空機用燃料(SAF)の安定供給で新たな提携を模索する意向を示した。日本政府にはSAFの普及に向け、補助金を含めた支援も求めているという。

世界で脱炭素の流れが強まる中、二酸化炭素(CO2)排出量の多い航空機の利用は「飛び恥」と呼ばれ、航空業界に厳しい目が向けられている。SAFは持続可能な原料から製造できる燃料で、航空機が排出するCO2を大幅に削減できるグリーン燃料として期待されている。価格が通常の燃料に比べ約2─4倍と高いが、通常の燃料に混ぜて使うことができる。

宮田氏は、現在のSAF使用量は「世界で(燃料全体の)0.1%程度しかない。量を増やすことが重要」と指摘。ANAも現在の提携先だけでは必要量が「なかなか確保できないので、今後もSAFの安定供給につながるパートナーを探していく」と述べた。

同社は19年に米ランザテック社とエタノールを原料に米国で製造されるSAFを21年以降に購入することで合意。20年にはフィンランドのネステ社、伊藤忠商事と共同でSAFの調達・輸入・品質管理・空港搬入までのサプライチェーンを構築し、国内航空会社として初めて日本発定期便でSAFを使用した。ネステから調達するSAFは今年7月以降の羽田・成田発の定期便でも使う予定だ。

ANAは11年にはミドリムシを原料とするバイオ燃料を研究するユーグレナなどとも連携し、SAFの国産化にも力を入れている。宮田氏は「ネステ社は船でSAFを運ぶが、輸送に伴うCO2も考えないといけない。地産地消が重要だ」と話す。

政府は昨年12月公表のグリーン成長戦略で、30年にSAFの国産商用化と既存燃料価格並みにする計画を盛り込んだ。宮田氏はSAFは製造だけでなく、空港での給油が重要であり、「ここはオール・ジャパンで、というお願いをしている」と述べた。

日本でSAFが給油できないとSAFを使う海外の航空会社が日本での離着陸を減らす可能性もあり、宮田氏は「空港の競争力にも影響する」と指摘。北欧などでは製造から使用段階まで国から補助金が出ており、「国としても補助金を含めた対応をすることを働きかけている」と語った。

インタビューは15日に実施した。

(白木真紀、佐野日出之 編集:石田仁志)

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