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アングル:中国株、長期の強気相場入りも 待機する海外マネー

[香港/シンガポール 11日 ロイター] - 中国株は昨年の底値からやや持ち直したが、外国人投資家はまだ買いを再開していない。しかし政府が「ゼロコロナ政策」を中止したことが出発点となり、長期的に世界から資金が戻る兆しが強まっている。

 1月11日、中国株は昨年の底値からやや持ち直したが、外国人投資家はまだ買いを再開していない。しかし政府が「ゼロコロナ政策」を中止したことが出発点となり、長期的に世界から資金が戻る兆しが強まっている。写真は上海の証券会社で2020年撮影(2023年 ロイター/Aly Song)

新型コロナウイルスの感染を封じ込めるゼロコロナ政策が12月に突然打ち切られたことで、中国は感染爆発に見舞われ、もっと緩やかな政策移行を予想していた金融市場を驚かせた。

経済活動再開への期待が芽生えた11月以来、MSCI中国株指数は実に50%も上昇。香港のハンセン指数も47%上昇した。この間、MSCI世界株価指数は約6%の上昇にとどまっている。

しかし分析会社によると、相場反発の大半は空売りの買い戻しと投機マネーによるもので、市場参加者はごく限られている。つまり動きの遅い機関投資家の資金が流入し、株価を一段と押し上げる余地はたっぷり残っているということだ。

大手銀行の中国株に対するトーンには変化が見られ、足元で株価が急上昇し、乗り遅れるのではないかという焦りが生じている。

シティ・グローバル・ウェルスインベストメンツのアジア投資ストラテジー責任者、ケン・ペン氏は「活動再開による経済と市場への影響は、まだ感じられ始めたばかりだ。ここから長い道のりが控えており、当社は中国株と中国の通貨について依然として非常に強気だ」と語った。

JPモルガン・アセット・マネジメントのグローバル・マルチアセット・ストラテジスト、シルビア・シェン氏は、同社がゼロコロナ政策の中止を受けて中国株の投資比率を引き上げている最中だと説明した。

中国株にはモメンタム(勢い)もある。

アバディーンの中国株責任者、ニコラス・イェオ氏は「相場が上昇すると、自ずと機関投資家の関心が中国に戻ってくる」と語った。

中国国際金融(CICC)のアナリストらによると、香港株の空売り比率は10月初めの約24.5%から12月末には13.3%に減った。また海外のアクティブ運用ファンドは売り越しなので、こうしたファンドが最近の株価上昇を引っ張ったわけではないことが分かる。CICCは、この状況が今年反転すると予想している。

データ会社EPFRによると、世界の株式ファンドによる中国株の投資比率は11月末時点で約1.8%と、10月末に付けた2022年の最低水準からはわずかに拡大したものの、2015年4月の過去最高記録3.1%には遠く及ばない。

<政策転換>

市場心理が好転しているのは、幅広い分野で規制緩和の兆候が生じていることも要因だ。政府は落ち込んだ不動産セクターをてこ入れする政策を打ち出したのに加え、数年前から続くIT企業への締め付けを緩めると約束している。

モルガン・スタンレーは中国の経済・株価見通しを引き上げ、「新型コロナ政策、経済政策、4年間続く規制政策について、成長重視の方向への修正が始まったことが、当社が見通しを強気化した根拠だ」と説明した。

同社の中国株チーフストラテジスト、ローラ・ワン氏は、海外ファンドが昨年10―12月期以来、電子商取引大手アリババ・グループなどの大型株を少し買い増していると述べた。

主要な機関投資家が中国株のアンダーウェートを修正し、MSCI指数など主要ベンチマーク並みの投資比率に引き上げれば、少なくとも290億ドルが中国株に流入するとワン氏は推計している。

もちろん、投資家が中国のインターネット大手企業株に押し寄せた数年前に比べると、投資の時期と規模について警戒感やためらいがあり、市場も一枚岩ではないとワン氏は付け加えた。

新型コロナによる経済の混乱が尾を引き、不動産市場の回復は遅く、欧米のリセッション(景気後退)への懸念もあるため、相場回復への道のりは険しいものになるとアナリストらはくぎを刺している。

S3パートナーズのデータを見ると、1月に入って米国に上場する中国株への空売りはむしろ増えている。中国本土の優良株で構成されるCSI300指数は、ようやく昨年9月の水準に戻ったところであり、2021年2月の直近高値をなお30%余り下回っている。

しかし、ほんの数カ月前の昨年10月を振り返れば、習近平国家主席とその「忠臣」で固めた新指導部が、イデオロギーを重視し成長を犠牲にするという認識が広がっていた。それがゼロコロナ政策の急転換によって揺さぶられている。

ピクテ・ウェルス・マネジメントのアジア最高投資責任者、ヒュー・リアラン氏は「活動再開は本格的なものであり、もう止められない」と語った。

GAMインベストメント・マネジメントの投資ディレクター、ジャン・シー・コーテシ氏は「過去20年間、国際的な投資家が中国に怖じ気付く局面は何度かあった」とし、2008年前後と15年前後の中国株や人民元を巡るパニックを指摘。「しかし最終的に数字が元に戻り、経済が成長しており企業利益が伸びていることが証明されると、投資家は見方を変える」と語り、今後2、3年間は中国に強気相場が訪れると予想した。

(Xie Yu記者、 Ankur Banerjee記者)

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