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焦点:米メディア事業統合、「第2のネットフリックス」への渇望露わ

[17日 ロイター] - 米通信大手AT&Tが2018年、ネットフリックスやウォルト・ディズニーに対抗するためにタイム・ワーナーを買収して以来、動画配信サービスの競争は激しさを増す一方だ。

 5月17日、米通信大手AT&Tが2018年、ネットフリックスやウォルト・ディズニーに対抗するためにタイム・ワーナーを買収して以来、動画配信サービスの競争は激しさを増す一方だ。17日撮影(2021年 ロイター/Dado Ruvic)

AT&Tは17日、傘下のメディア事業をメディア企業ディスカバリーと統合すると発表した。これを機にメディア産業に合従連衡の新たな波が押し寄せるかもしれない。3年前の波は、メディア王ルパート・マードック氏率いるフォックスが映画事業から足を洗い、バイアコムとCBSが統合するといった再編劇を引き起こした。

ディスカバリーとAT&T傘下のワーナーメディアとの統合は、今日のメディア業界における規模の価値を物語っている。折しも業界を主導するネットフリックスとウォルト・ディズニーは米国外での成長機会に目を向けている。

ディスカバリーは欧州でスポーツネットワーク「ユーロスポーツ」の他、数々の放送チャンネルを擁しており、AT&Tは統合によって世界的な足場を築ける。AT&T傘下の動画配信サービスHBOマックスは6月に中南米、カリブ諸国の30地域にサービスを広げ、今年後半には欧州でも21市場で事業を開始する計画だ。

AT&Tのジョン・スタンキー最高経営責任者(CEO)は17日の電話記者会見で、「DtoC(消費者に直接配信する)ストリーミングの事業機会は目まぐるしく変化しており、業界の主導的な地位を獲得、維持するにはいくつかの条件が求められる。世界的な規模、資本へのアクセス、高品質コンテンツの幅広い品揃え、そして業界きっての人材だ」と述べた。

新会社を率いるディスカバリーのザスラフCEOは、「(統合する)両サイドともDtoCに勢いがあるため、われわれが世界有数のストリーミング企業になるのが速まるだろう」と語った。新会社の社名は来週発表される。

新会社は20万時間分の番組を取りそろえ、HBO、アニマル・プラネット、CNN、フード・ネットワークなど100種類のブランドを擁することになる。ストリーミングサービスに関しては、HBOマックスとディスカバリープラスを傘下に収めるが、いずれも成長しているとはいえネットフリックスとディズニープラスに比べると依然はるかに規模が小さい。

HBOとHBOマックスの登録者数は世界で6390万人。ディスカバリーは1500万人で、その大半がディスカバリープラスだ。これに対し、ディズニープラスは1億0360万人、ネットフリックスは2億0760万人となっている。

業界地図が再び塗り変わったことで、バイアコムCBSとコムキャストは規模拡大のプレッシャーを感じるかもしれないとアナリストは指摘する。

ライトシェッド・パートナーズのアナリスト、リッチ・グリーンフィールド氏は17日のノートで、バイアコムCBSはコムキャストにとって唯一の明白な合併相手候補だと説明。しかし合併すればCBSネットワークと地方局を傘下に収めることになるため「規制上の問題が持ち上がるのは間違いない」との見方を示した。

(Helen Coster記者)

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