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アングル:高まる欧州エネルギー安保リスク、ロシアガス供給再び削減

 ロシアのガスパイプライン「ノルドストリーム」の欧州向け天然ガス削減によりEUのガス在庫目標の達成は難しくなっている。写真はイメージ。18日撮影(2022年 ロイター/Dado Ruvic)

[ロンドン 26日 ロイター] - ロシアのガスパイプライン「ノルドストリーム」の欧州向け天然ガス削減により欧州連合(EU)のガス在庫目標の達成は難しくなっている。EUは仮にこの冬を乗り切ったとしても、欧州のエネルギー安全保障巡る不安は払拭されず、ガス価格は当面高止まりする可能性がある。

ロシア国営天然ガス会社ガスプロムは25日、欧州向けガスパイプライン「ノルドストリーム」について、タービン1基を追加的に停止させるため供給量が減少すると発表。27日から日量3300万立方メートルに減少する。供給量は現時点ですでに従来水準の40%に減少しており、今回の発表で現在の水準からさらに半減する。

EUは需要がピークに達する冬に備えて11月1日までに貯蔵施設を80%満たす計画だが、現時点で66%にとどまっている。コンサルタント会社ウッドマッケンジーは、EUが貯蔵施設を75─80%しか満たすことができないとの見方を示している。

ロシアのウクライナ侵攻以降、ノルドストリーム以外のパイプラインによる欧州への天然ガス供給も減少、ノルドストリームの供給が完全に途絶えるリスクも高まっている。ロシア産ガスにはドイツ以外にもオーストリアや中・東欧諸国も依存している。

アナリストは、ロシアがさらなる削減の理由を見つけるのは非常に簡単だと指摘する。

戦略国際問題研究所のベン・カーヒル氏とイザベル・フーバー氏は「重要なのは、ロシアが今圧力を最大に強め、秋までにガスを備蓄するという欧州の計画を狂わせようとしているのか、それとも今後に向け準備を整えようとしているのかだ」と指摘する。

EUは、ロシア以外の調達先確保やエネルギー消費削減、石炭発電利用などでロシアからの天然ガス供給の途絶や大幅減少に備えている。

EUの欧州委員会は先週、加盟国に8月から15%の消費削減を要請することを提案。ただ、一部加盟国から反対する声も出ている。

コンサルタント会社ライスタッド・エナジーのアナリストは「欧州全体のエネルギーシステムは危機的状況にあり、ノルドストリームが再稼働してもエネルギー安全保障に対するリスクが継続するという状況には変わらない」と指摘。「今冬を乗り切るには各国の迅速な協力が不可欠だ。ただ、仮に乗り切ったとしても、次の冬に向けた供給不安で価格は当面高止まりする」との見通しを示した。

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