March 10, 2015 / 10:53 AM / 4 years ago

焦点:動き出すファミマ・ユニー統合、収益性向上など残る課題

[東京 10日 ロイター] - ファミリーマート (8028.T)とサークルKサンクスを傘下に持つユニーグループ・ホールディングス 8270.Tが経営統合の協議に入る。コンビニエンスストア第2位の企業となる統合を成長につなげるには、収益性の向上や総合スーパー(GMS)の再建など、いくつもの課題が見えている。

 3月10日、ファミリーマート とユニーグループ・ホールディングスが経営統合の協議に入るが、コンビニエンスストア第2位の企業となる統合を成長につなげるには、収益性の向上など、いくつもの課題が見えている。都内で6日撮影(2015年 ロイター/Toru Hanai)

消費の変化が加速する中、統合作業に時間がかかれば、統合計画自体の戦略性が危うくなる懸念もある。

ここ数年の間に何度も浮上しては消えた組み合わせ―――。今回、両社が経営統合に向けて具体的な協議にこぎ着けたのには、競争の激化や仲介役とも言える伊藤忠商事(8001.T)を取り巻く環境変化など、いくつかの要因があった。

統合へのきっかけとしてまず指摘されるのが、ユニーGHDのトップ交代だ。経営不振で前経営陣が引責辞任し、3月1日付で佐古則男氏が社長が就任したことで統合協議に弾みがついたとする見方は少なくない。

一方のファミマも、新規出店攻勢で規模拡大を図ろうとしたものの収益性が低下。15年2月期は、出店計画・業績予想ともに下方修正するなど、独力で2位浮上を狙うには、時間がかかる状況に直面していた。「2020年に業界ナンバーワンになる」(中山勇社長)との目標を5月に策定予定の次期中期計画に掲げるならば、セブンイレブンとの距離を少しでも縮める大胆な方策が必要になる。

ファミマの37%、ユニーGHDの3%を保有している伊藤忠商事の事情もある。原油安が続く中、同社は年明けにタイのチャロン・ポカパン(CP)グループと組んで、中国のCITICに1兆2000億円を投じることを決めた。同社にとって、投資先の効率化は課題となっており、関係筋は「ユニーの再建を優先させようという雰囲気もあったが、伊藤忠もそれを待つことはできなくなった」と話す。3社ともに「経営統合」に着地点を見出し、今回の協議開始に至った。

<セブンイレブンとはなお格差>

ファミマは、上田準二会長が社長の時代から早期に業界2位になることを目標としており、そのためにはユニーグループにあるサークルKサンクスの取り込みを視野に入れていた。その狙い通り、今回の統合で売上高規模は業界トップのセブン―イレブン・ジャパンに次いで2位となる。店舗規模もトップクラスに拡大する。装置産業にも似たコンビニは、規模の拡大により調達や物流、システム面などで統合効果が期待できる。

ただ、ファミマとユニーの統合が、企業規模を広げるだけでなく、競争力のあるが強い企業連合の誕生に結びつくかどうかについては、なお越えるべきハードルがいくつも控えている。

最初のハードルは「ファミリーマート」「サークルK」「サンクス」と3つある店舗名の統一だ。統合協議入りが報道された6日、ファミマの上田会長は早速、店舗名の統一に言及した。ファミマにとってはブランド統一は譲れない一線だ。

両社が10日に発表したリリースでは「ブランドを一本化することを軸として、今後検討する」と明記した。「サークルK」と「サンクス」の店舗名の統合はいまだにできておらず、それがサークルKサンクスの停滞の一要因になったとの声も多いだけに、クレディスイス証券の山手剛人氏は「店舗ブランド一本化が合意に至らな場合には、統合計画が撤回される可能性がある」と指摘する。

仮にブランド統一が合意されても、フランチャイズ(FC)ビジネスのコンビニは、条件の異なるFCの新しい契約やシステム、オペレーションの統一、重複店舗の統廃合などにコストが必要になる。

さらには、収益性向上策も課題だ。セブンイレブンと店舗規模が同水準になっても、1日・1店舗あたりの平均売上高(日販・2014年2月期実績)は、セブンイレブンの66万4000円に対して、ファミマは52万1000円、サークルKサンクスは45万1000円と大きく差がついている。

ファミマが2011年にエーエム・ピーエムを買収した際、ファミマに転換した店舗の売上高は2桁伸びたこともあり、サークルKサンクスの底上げにつながることは間違いない。ただ、セブンイレブンとファミマの間にも大きな差が存在しており、この差をどのように埋めるかも課題として残る。

中山社長は「業界3位だと、2位に追い付くことで事業の発想が貧困になる。ネットワークを手に入れたことで、新しいサービスの提供などにチャレンジできる」と述べ、新たなコンビニ像を作る考えを示している。

<GMSの行方>

もう一つの大きな課題は、業績が低迷するユニーグループのGMS事業の行方だ。ユニーグループの営業収益の77%、利益の約半分を占めているが、イトーヨーカ堂やイオンなど他社同様、打開策は見えていない。

コンビニで圧倒的な強さを誇るセブンイレブン。セブン&アイ・ホールディングス (3382.T)は、グループ内にイトーヨーカ堂を持つが、ヨーカ堂のテコ入れには苦戦している。プライベートブランド(PB)の共通化などシナジーが見込めるところもあるが、ユニクロなどの専門店に顧客を奪われた衣料品など、コンビニにはない領域の戦略も求められるだけに、コンビニの成功がGMS立て直しに活かされるところは少ない。ユニーGHDの佐古則男社長は、再建のカギを「差別化」としたが、具体策はこれからだ。

複数の業界関係者からは、いずれユニーのGMSを切り離して、売却するのではないかとの観測も出ている。強いコンビニ事業体を目指すのか、GMSを含めた小売りグループで生き残りを図るのか。いずれにしても、GMS事業は現状維持で進むことはできず、何らかの再編を伴った第2幕へとつながることになりそうだ。

清水律子 編集:北松克朗

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