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焦点:米FRBは債券市場を鎮静化、利回り急上昇のリスク残る

[ニューヨーク 18日 ロイター] - 17日まで開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)を受けて債券利回りが急上昇する事態は避けられたかもしれないが、この先米経済が回復しインフレ率が少なくとも一時的に上昇するとみられる中で、長期金利がいつまで抑制されるかという疑問は残る。

 3月17日まで開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)を受けて債券利回りが急上昇する事態は避けられたかもしれないが、この先米経済が回復しインフレ率が少なくとも一時的に上昇するとみられる中で、長期金利がいつまで抑制されるかという疑問は残る。米首都ワシントンで2020年12月撮影(2021年 ロイター/Susan Walsh)

これは投資家と米連邦準備理事会(FRB)当局者いずれにとっても重要な問題だ。米国の成長が今年急拡大することを示す指標が増えている中で、債券市場のボラティリティーが再び上昇することは避けたいと考えている。

17日の米債券市場では短期金利の低下により利回り格差が2015年9月以来の水準へ拡大した。これは新型コロナウイルス危機が収束しても利上げしないというFRBの言葉を投資家が信じていることを示している。

FRBの措置により利回りの上昇は当面、比較的秩序だったペースになるかもしれないが、急上昇するリスクは残っている。そうなれば企業と個人の借りれコストが上昇し、株式を含む他の資産に波及しかねない。

バンク・オブ・アメリカの米金利戦略部門トップ、マーク・カバナ氏は、FRBにトーンの変化が見られ始めたときに市場で急速な調整が起きるリスクが、現在のFRBのスタンスにはあると指摘。「(FRBは)オーバーシュートを見たい、インフレや雇用が過熱するのを見たいというサインを送っている」と語った。

FRBが予想より早く利上げしたり、資産買い入れを縮小したりするとの観測で、長期債利回りは過去数週間で1年ぶりの高水準となった。

18日のFOMCが終了した後、声明が発表される前に指標10年債利回りは一時1.689%と2020年1月以来の高水準を記録。その後は1.646%前後へ低下したが、なお前日終盤の水準を上回った。2年債利回りはFOMC後に0.125%まで低下し、その後は0.137%まで戻した。

この結果、2年債と10年債の利回り差は153.2ベーシスポイント(bp)へ拡大した。

長期金利は景気見通しの改善と国債供給量の増加に伴い上昇傾向が続くとみられるが、懸念されていたより緩やかなペースとなる可能性がある。

BNPパリバの米国担当チーフエコノミスト、ダニエル・アーン氏は、債券投資家が大規模なろうばい売りを出す「テーパータントラム」を巡る市場の不安をFRBは和らげたと指摘。「時間を稼いで金融環境が比較的緩い状態を維持し、景気回復のペースを上げるための道を開いた」との見方を示した。

FRBが送ったメッセージは、今年の米成長率が6.5%まで高まり、失業率は年末までに4.5%に低下し、インフレ率は目標の2%を一時的に上回ると予想しているにもかかわらず、金利が急激に上昇することはないというものだ。

マニュライフ・インベストメント・マネジメントのシニア債券トレーダー、マイケル・ロリツィオ氏は「パウエル議長は回復ペースが加速することに満足していることを明確した。しかしそれによってFRBの枠組みが変わるわけではなく、必要以上に早い政策引き締めを余儀なくされるわけでもない」と語った。

ゼオ・キャピタル・アドバイザーズのベンク・レッディ最高投資責任者(CIO)は銀行の強化に資する利回り曲線のスティープ化を議長は容認する可能性があると指摘し、現在の水準から一段とスティープ化すると予想した。

(Karen Brettell and Kate Duguid 記者)

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