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焦点:米経済対策の現金支給、「ミーム株」に追い風か

[ニューヨーク 10日 ロイター] - バイデン米大統領肝いりの新型コロナウイルス追加経済対策は、その一部が回り回って株式市場に流れ、特にSNSに集まる個人投資家が好むゲームストップ株などその他の「ミーム株」に追い風を吹かせるかもしれない。

 バイデン米大統領肝いりの新型コロナウイルス追加経済対策は、その一部が回り回って株式市場に流れ、特にSNSに集まる個人投資家が好むゲームストップ株などその他の「ミーム株」に追い風を吹かせるかもしれない。写真はイメージ。2月撮影(2021年 ロイター/Dado Ruvic)

米下院が10日可決した追加経済対策では、年間所得が個人で8万ドル(約857万円)、カップルで16万ドル未満の世帯に1人当たり1400ドル、総額4000億ドルの現金が直接支給される。バイデン大統領が署名して法律が成立し次第、政府は小切手の配送を始められるはずだ。

チャールズ・シュワブのバイスプレジデント、ランディー・フレデリック氏は「支給金の多くが市場に流れ着くだろう。強気方向の要因になるはずだ」と言う。

ドイツ銀行が先月、個人投資家430人を対象に実施した調査では、個人投資家は何らかの直接支給を得られれば、その額の平均37%を株式購入に直接充てる計画であることが示された。

同銀のストラテジスト、パラグ・サット氏がこの数字を基に株式市場に流れる額を試算したところ、オンライン口座を持っている個人トレーダーだけが37%を株式に投資したと仮定した場合が250億ドル。小切手を受け取った全員が同じ割合を株式に投資したと仮定すると、1500億ドルに上る計算になった。

サット氏は電子メールで、米株式ファンドには現在、月に150億ドル前後と過去最高に近い額が流入していると指摘。「従って、支給金から徐々に資金が流れ込めば大きな規模になり得る。速やかに投資された場合にはなおさらだ」とした。

米株式市場は最近反落し、中でもハイテク株の多いナスダック市場は下落率が10%に達した。それでもS&P500種総合株価指数は過去最高値圏で推移し続けており、コロナ禍で暴落した昨年3月の安値からは70%以上も上昇している。

実際に景気対策費が株式市場に流入する場合、ゲーム販売会社ゲームストップなどの銘柄に流れる比率が際立って大きいかもしれない。

フレデリック氏によると、若い成人は低所得層に属す傾向があるため支給対象となる確率が高い。そうした若い投資家はネット上の情報拡散を基に取引される「ミーム株」を買いがちだ。

ゲームストップ株は今週初め、同社の電子商取引戦略に関するニュースを材料に急騰。オンライン掲示板サービス、レディット内の株式取引フォーラム「ウォールストリートベッツ」などに集まる投資家が好むその他銘柄も上昇した。

SNS上では、投資家が現金支給に沸き立っている様子が垣間見える。ウォールストリートベッツでは「IwantSpaceX(スペースX株がほしい)」という名前のアカウントが、「さあ来い、景気刺激小切手!」と投稿していた。

現金支給は、ただでさえ高まっていた個人投資家の関心を一段とあおるかもしれない。コロナ禍により、米国民はコンピューターの前に座ったりスマートフォンを眺めたりして過ごす時間が増えた。

ゴールドマン・サックスのストラテジストらは最近、今年の個人投資家の株式需要見通しを正味1000億ドルから3500億ドルに引き上げた。「従来想定していたより経済成長率と金利の見通しが上昇したこと、景気対策により個人に現金が追加支給されること、そして年初に米小売業が活発化したこと」を反映したものだ。

リポートは「今年は家計が株式需要の主役を担うだろう」と予想している。

TDアメリトレードでは、昨年1―9月に176万件近くの個人口座が新規開設された。同期としては過去最高だ。

同社の首席市場ストラテジスト、JJ・キナハン氏は「人々には暇と関心がある上、最近は自分が何に投資しているのかを本当に理解し始めている」と説明。「今まで見たことのないような関心の示し方をする個人投資家が、実際に現れつつある」語った。

(Lewis Krauskopf記者)

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