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焦点:弱気相場の米国株、リセッション入りなら一段の波乱

[ニューヨーク 28日 ロイター] - 今年になって地合いが悪化した米株式市場は、顔をのぞかせた景気後退(リセッション)が「傷口に塩」を塗りかねない。

 今年になって地合いが悪化した米株式市場は、顔をのぞかせた景気後退(リセッション)が「傷口に塩」を塗りかねない。写真はニューヨーク証券取引所で19日撮影(2022年 ロイター/Brendan McDermid)

28日に発表された第2・四半期の米国内総生産(GDP)速報値は前期比年率0.9%減と、2四半期連続のマイナスを記録。統計上の定義ではリセッションの条件を満たした。雇用が堅調な伸びを続けているため、米経済が本当にリセッション入りしたのかどうかは議論の的になっている。景気の山と谷を正式に判定する全米経済研究所(NBER)もまだリセッションを宣言していない。

ただ実際にリセッションになったと判明した場合、過去の事例に基づくと、米国株はさらなる波乱に見舞われるかもしれない。

ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティテュートのデータによると、弱気相場にリセッションが伴うと、より下げがきつくなる傾向がある。1946年以降の弱気相場では、リセッションありの平均下落率は35.8%で、リセッションなしの27.9%よりも大きい。

S&P総合500種は6月半ばに高値から23.6%下落し、その後10%ほど戻している。

ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティテュートのシニア・グローバル市場ストラテジスト、サミア・サマナ氏は、株式市場が今年大幅に下落したとはいえ、経済の落ち込みをまだ部分的にしか織り込んでいないのではないかと指摘した。

サマナ氏は「少なくとも過去平均(の下落率)に向かう形でリセッションを織り込む道のりをわれわれは歩んでいる」と語り、悪い知らせは直近安値から最大であと10%下がってもおかしくないということだと付け加えた。

米経済がリセッションに突入したとの見方一色というわけでないのは確かだ。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は27日、労働市場の強さからするとリセッションが始まったという話はあり得ないと発言。ホワイトハウスは、11月8日の議会中間選挙を控えて有権者を動揺させまいという政治的な意図から、リセッション説を徹底的に否定している。

しかしドイツ銀行のデータを見ると、1947年以降、2四半期連続のマイナス成長がリセッションをもたらさなかったことは一度もない。

ドイツ銀行のテーマ調査責任者ジム・リード氏はリセッションが「向こう12カ月の間に到来するのはほぼ確実」としつつ、今の状況を改めてリセッションと呼ぶためにはもう少し雇用情勢を見極めたいと付け加えた。

今月に入ってほぼずっと、米国債のイールドカーブ上で2年債と10年債の利回り水準が逆転する展開も続いている。こうしたいわゆる「逆イールド」は、景気後退の前兆とされてきた。

物価上昇率が40年ぶりの高い伸びを見せる中で成長が弱まれば、過去に株価を痛めつけたスタグフレーションを巡る懸念が高まる恐れがある。UBSグローバル・ウエルス・マネジメントは今月、スタグフレーションになればS&P総合500種は3300まで下落してもおかしくないと予想した。27日終値からは18%安の水準だ。

ジャナス・ヘンダーソン・インベスターズの調査ディレクター、マット・ペロン氏は、足元で進む景気の弱まりを乗り切るためにリスク資産で「ディフェンシブなポジション」を構築するよう提言している。ヘルスケアやソフトウエアの関連銘柄、または不動産投資信託(REIT)などが推奨されるという。

ペロン氏は「これから経済がインフレと金利上昇から受ける圧力を踏まえると、われわれはまだ窮地を脱していないとの考えは変わっていない」と述べた。

(Lewis Krauskopf記者)

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