February 6, 2015 / 6:57 AM / 5 years ago

アングル:新興国中銀の利下げに政治圧力、試される信認

[ロンドン 5日 ロイター] - 原油安や欧州での金融緩和を背景に新興諸国の中央銀行が利下げに動いているが、政治圧力を掛けられるケースも目立つ。トルコのエルドアン大統領が中銀に対し、より大幅かつ急スピードの利下げを求めるといった事態が代表例で、中銀の信認が試されてる。

 2月5日、原油安や欧州での金融緩和を背景に新興諸国の中央銀行が利下げに動いているが、政治圧力を掛けられるケースも目立つ。写真はトルコリラ紙幣。昨年1月撮影(2015年 ロイター/MURAD SEZER)

今年に入ってトルコを含む新興数カ国が利下げを実施しており、スワップ市場は他の新興国でも30─350ベーシスポイント(bp)の利下げを織り込んでいる。

GBI─EM債券指数によるとこの結果、新興国の債券利回りは1%ポイント下がって1年8カ月ぶりの低水準となった。

しかしソシエテ・ジェネラルのアナリスト、ブノワ・アンヌ氏は一部新興国の利下げを「影の」中央銀行によるものだと呼び、新興国中銀が過去15年ほどかけて勝ち取ってきたわずかな政策決定権さえも侵されるリスクがある、と指摘する。

アンヌ氏は「公式の金融政策委員会と影の委員会があり、影の方は大統領府に置かれるケースが多いように見える。つまり中銀は政治介入を一番に考慮するようになってしまった。そして政治圧力が高まると通常、信頼性は落ちるものだ」と語った。

ロシアは通貨ルーブルの防衛とインフレ抑制を目的に650bpの利上げを実施してわずか1カ月後の先週、200bpの利下げに踏み切って市場に衝撃を与えた。また、トルコが1月に50bpの利下げを行ったことは、インフレ率の高さを踏まえれば時期尚早だったとアナリストは見ている。

投資家に人気のインドでさえ、準備銀行(中銀)が政治圧力で利下げを早めたのではないか、との見方が出ている。

<インドは別>

ロシアのルーブルは1月30日の利下げ以来6%下落した。利下げにより、政策の焦点がインフレから成長に代わったとの見方が強化された。

トルコのエルドアン大統領による4日の発言を嫌い、通貨リラは過去最低を更新した。

ウニクレディトのアナリストチームは、トルコの利下げは拙速で、リラ安とインフレを招く恐れがあると指摘。「(中銀に)利下げを迫る政治圧力がこれほど強いとは予想していなかった」とした。

金融政策への信頼度を測る尺度として、家計や企業へのサーベイで見た予想物価上昇率がある。

インドの予想物価上昇率は1月15日の利下げを正当化するもののようだ。利下げ後に通貨ルピーは上昇している。

しかしトルコの予想物価上昇率は2年後が6.4%と、目標値の5%を上回る。ロシアも目標値4%を上回り続けると予想されている。

ロンバー・オディエの債券ストラテジスト、サルマン・アハメド氏は、インドは「良い」利下げの好例だが、ロシアとトルコは政治の影響を受けていると述べた。

(Sujata Rao記者)

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