October 8, 2014 / 5:13 AM / 5 years ago

アングル:ユーロ安に望みつなぐECB、輸出促進とデフレ阻止見込む

[フランクフルト 7日 ロイター] - 景気と物価の低迷と格闘する欧州中央銀行(ECB)は、ユーロ安による浮揚効果に望みをつないでいる。

 10月7日、景気と物価の低迷と格闘する欧州中央銀行(ECB)は、ユーロ安による浮揚効果に望みをつないでいる。フランクフルトで8月撮影(2014年 ロイター/Ralph Orlowski)

米国が間もなく量的緩和を終了する一方、ECBが資産購入を開始するという欧米金融政策の方向性の違いを背景として、ユーロは対ドルで急落している。

RBSのエコノミスト、リチャード・バーウェル氏は「物事を動かす一つの確かな方法は為替レートを押し下げること。それがディスインフレに立ち向かう最適の方法だ」と話す。

ユーロ安は輸入価格を上昇させると同時に輸出競争力を高める。ユーロ圏のインフレ率は9月に0.3%まで落ち込んだが、これを物価目標の2%弱に向けて押し上げる効果が期待できる。

ドラギECB総裁は「近隣窮乏化政策」を採っているとの批判をかわすため、ECBは特定の為替レート目標を有していないと強調し続けてきた。

しかし先週の記者会見では「主要先進国間の金融政策サイクルの隔たりは大きく、拡大を続けている」と述べ、欧米の金融政策の差異はユーロ圏にとって追い風との考えをほのめかした。

<もう一つの想定為替レート>

ユーロ安が何をもたらすかは、英国の経験がヒントになる。ポンドは2008年半ばの1ポンド=2.00ドル超から09年初めには1.35ドルまで急落し、その影響は瞬く間に浸透した。為替を主因として、消費者物価の前年比上昇率は09年9月の1.1%から2年後には5.2%まで跳ね上がった。

多くのECB幹部はこの実績を見て、ひそかに楽観的見通しを抱いている。ユーロは5月の1ユーロ=1.40ドルから現在は1.26ドル前後まで下がったのだから。

ECBスタッフが先月公表した経済見通しは基本シナリオとは別に、2016年までにユーロが1.24ドルまで下がると想定した場合の見通しを盛り込んだ。この水準が既に現実のものとなりつつある。

スタッフの推計ではこのレートの場合、来年と2016年のユーロ圏成長率はそれぞれ0.3%押し上げられ、インフレ率も0.3%上昇する。

ユーロはさらに大きく下落して景気を支えるとの見方もある。ドイツ銀行は17年遅くに1ドルを割り込むと予想している。

<一時しのぎ>

しかしエコノミストの間では、ユーロ安効果は一時的で、英国がそうであったように景気を本格回復させるには追加政策が必要になるとの見方がある。

ユーロ安はユーロ圏外への輸出には追い風となるが、圏内の貿易には影響しない。

英バンゴー大学の経済学教授、サンティアゴ・カルボ・バルベルデ氏は「内需を拡大する必要があるが、その点で深刻な限界に直面している。中国には輸出できるだろうが、ユーロ圏向けも必要だ」と言う。

結局のところ、ユーロ安が進んでもECBに国債買い入れによる量的緩和を迫る圧力は弱まらないかもしれない。国際金融協会(IIF)の執行マネジングディレクター、ハン・トラン氏は「ユーロ安は助けにはなるが、冷静に考えれば為替レートの変化はゼロサムゲームだ。ある通貨の上昇は他の通貨の下落を意味する。世界経済の全容は変化せず、欧州の低成長という構図も変わらない」と語った。

(John O'Donnell、 Paul Carrel記者)

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