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アングル:マイナス利回りの世界国債残高、6兆ドル超に急拡大
2016年2月10日 / 07:17 / 2年前

アングル:マイナス利回りの世界国債残高、6兆ドル超に急拡大

[ロンドン 9日 ロイター] - 日本の10年債利回りが9日、主要7カ国(G7)で初めてゼロ%を割り込み、マイナス金利を付けている世界各国の国債残高は計6兆ドル(約688兆円)を越えた。

 2月9日、日本の10年債利回りが主要7カ国(G7)で初めてゼロ%を割り込み、マイナス金利を付けている世界各国の国債残高は計6兆ドル(約688兆円)を越えた。写真は都内のトレーディングルーム(2016年 ロイター/Yuya Shino)

政府向け貸出しに対し、利息を得るのではなく、実質的に手数料を払うことになるマイナス利回り国債残高の急拡大は、金融市場がここ何十年でもっとも変動の激しい1年のスタートを切る中で起こった。

一部の専門家は2007─08年の世界金融危機へとつながったひずみとの類似点を指摘する。世界の銀行株はこの数週間で再び苦境に陥っている。

JPモルガンによると、利回りがマイナスの国債残高はわずか2カ月前には3兆ドル、1年半前までさかのぼると皆無だった。

長期金利がマイナスに転じたことは、年金基金のような比較的保守的な投資家にとっては頭痛の種となる。比較的安全な投資によって得られていたリターンが消えてしまうからだ。

また、中銀預金金利がマイナスにもかかわらず、イールドカーブ(利回り曲線)がフラット化している場合、潜在的に銀行のバランスシートや純金利マージンを損なう可能性がある。

さらには、世界各国の市場が一段と不安定化するなか、経済回復に対する自信を取り戻し、根強いデフレ期待を取り除こうとしている政策当局にとっても問題となっている。

ソシエテ・ジェネラルでクオンツ戦略のグローバル責任者を務めるアンドリュー・ラプソーン氏は、マイナス利回りは中銀の政策が重要性を増していることの表れだと考えていると話す。

当局者が金利をゼロに、場合によってはそれ以下に引き下げ、何兆ドルも市場に投入しているが、インフレ率や債券利回りは頑として上がらない。多くの場合、それらはかつてないほど低下している。

「政策が機能しておらず、将来を悲観せざるを得ないことを示している。市場がマイナス金利にとりわけ喜んでいるとは思わない」と、ラプソーン氏は指摘する。

同氏はまた、米連邦準備理事会(FRB)の過去数年にわたる金融緩和政策が失敗したにもかかわらず、ある時点でマイナス金利を伴ったさらなる緩和策を自ら強いられる可能性があると指摘する。

FRBは先月、米大手行を対象に年1回実施する健全性審査(ストレステスト)の前提となるシナリオを公表。そのうち「極めて悪化」シナリオの中には米短期債利回りがマイナス化するとの想定を盛り込んだ。

日本とユーロ圏の金融機関はすでにマイナス利回りに取り組んでいる。日銀も欧州中央銀行(ECB)も預金金利にマイナス金利を導入しており、今後さらに引き下げる可能性がある。

(Jamie McGeever記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)

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